今回の物理基礎・物理のポイント解説は力学の「力の図示」です。
運動方程式や力のつりあいの式を立てる時に力を正しく図示することが重要です。
ポイントは
ということです。
ではどのようにすれば力を明確にすることができるのか説明していきます。
※スペースの都合上重力の反作用は省略しています。
物体にはたらく力を明確にする
上図のように床の上に物体A、物体B、物体Cの3つの物体がのっており静止しています。
この時の力のつりあいを考える時みなさんはどのように力を図示するでしょうか?
運動方程式、力のつりあいの式を立てる時には正しく力を図示することがポイントです。
以下のように力を図示していないでしょうか?
もちろん、このように力を図示することも間違いではありませんが、この図示の仕方ではどの物体にどのような力がはたらいているのかわかりにくいです。
つりあいの式を立てる時に誤った立式をしてしまう可能性があります。
このようなミスを無くすための図示の仕方を説明していきます。
物体同士を離して力を図示する
以下の図をみて下さい。
このように物体同士を離して力を描くことでどの物体にどのような力がはたらいているのかわかりやすくなります。
ちょっとした工夫ではありますが、これをするかしないかで図がぐっと見やすくなります。
なお、物体同士が離れていますが、接していると考えて力を考えて下さい。
また色分けして力を考えるという方法もありますが、試験の時は色ペンを使えませんし、毎回色分けしていたら大変なのでこちらの方をオススメします。
着目する物体のみを実線で描く
着目する物体のみを実線で描き、それ以外は点線で描くという方法もあります。
これは運動方程式を考える時に使えます。
以下のようななめらかな斜面に置かれた物体の運動方程式を考えるとします。
着目するのは物体であるので以下のように図示します。
すると、物体にはたらく力が明確となり運動方程式を立式する時にはたらく力を間違えにくくなります。
力を図示する順番
どの力から描くのか工夫することもできます。
みなさんはどのように図示しているでしょうか?
物体毎に力を描いている人が多いような気がします。
もちろんそれでも構いません。
力をもれなく図示できればOKです。
1つの方法としてぼく自身のやり方も紹介しておきます。
2. 接触力を描く(作用反作用のペアはその都度描く)
の順番で描いています。
最初の例の以下の図を使って説明していきます。
説明のため図示した順番に色分けして番号をふっていきます。
まずはそれぞれの物体にはたらく重力(①の赤い矢印)を描きます。
次にそれぞれの物体にはたらく接触力を描き、作用反作用のペアも描いていきます。(②の青い矢印)
1つの物体について描き終わったら次の物体にいきます。
(③の緑の矢印)
また1つ描き終わったら次の物体にいきます。
(④のオレンジの矢印)
このようにして描いていくと描き忘れのミスをしにくくなります。
自分のやりやすい方法でやるのが1番ですが、力の図示をよく間違えてしまうという人は参考にして下さい。
まとめ
それでは今回のまとめです。
力を図示する時のポイントを解説しました。
・着目する物体を実線で、その他を点線で描く
・力を描く順番を工夫する
という3つの方法です。
力を明確にすることで正しく力のつりあいの式や運動方程式の立式に役立つので参考にしてみて下さい。
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