【高卒認定試験物理基礎】平成27年度1回目 ポイント解説その1

今回は高卒認定試験物理基礎の平成29年度第1回の大問1、大問2についてのポイント解説をしていきます。

問題や解答については文部科学省のHPにあるものを参照してください。
(http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/kakomon/1360889.htm)

・どのような問題が出題されたか
・どのような知識が必要か
・どう解くのがよいのか

といった視点からそれぞれの問題について説明していきます。

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大問1

力と運動、等速直線運動、弾性力、浮力と力のつりあいの問題が出題されました。

問1

力と運動についての問題です。

選択肢の記述から正しいものを選びます。

それぞれの記述について確認していきましょう。

まずは①についてです。

投げたボールが空中にある時に受ける力を考えると下向きにかかる重力のみです。

よって、水平方向には力がはたらかないので誤りの記述となります。

次に②についてです。

摩擦がある水平面に物体があり、押しても動かない時は押す力と摩擦力がつりあっているためです。

なお、この時にはたらいている摩擦力は静止摩擦力です。

よって、記述は誤りとなります。

もし、記述のように摩擦力のほうが大きい場合、その方向に物体は運動します。

③についてです。

手が扉を押す力と扉が手を押す力とは作用反作用の関係にあります。

作用反作用の法則は片方の物体に力をはたらかせるともう片方の物体にも大きさが等しく逆向きの力がかかるというものでした。

つまり、手が扉を押す力と扉が手を押す力とは片方の力の大きさが変わったとしてもその変わった大きさの力がもう片方にかかります。

よって、記述にあるような扉が開くときには押す力のほうが大きいということにはならないので、この記述は誤りです。

④についてです。

空気抵抗が無視できる時、重い球と軽い球の運動方程式を立式し加速度について解くと、どちらも\(a=g\)となります。

よって、同時に両物体を落下させると同じ加速度で速度が変化していくので重い球の方が早く落下することはないので、誤りの記述となります。

最後に⑤についてです。

正しい記述ですのでこれが答えとなります。

問2

等速直線運動の問題です。

等速直線運動とは速度が一定の運動です。

つまり、時間が変化しても速度は一定であるので\(t\)軸と平行な直線となります。

よって\(v-t\)グラフはイとなります。

次に、等速直線運動の位置の変化についてです。

速度が一定であるので1秒後位置は\(v\)だけ変化します。

さらに1秒経過すると\(v\)だけまた進むので位置は\(2v\)変化します。

このようにして考えていくと\(t\)秒後には\(vt\)だけ位置が変化します。

つまり、位置の変化は時間に比例するので傾きが\(v\)の直線のグラフになります。

よって\(x-t\)グラフはエとなります。

問3

弾性力と力のつりあいの問題です。

まずは物体にはたらく力を図示します。

※ばねは点線で表しています。

自然長から\(a\)だけばねが伸びているので\(ka\)の弾性力が物体にはたらきます。

また、物体にはたらく重力を斜面方向と斜面に垂直方向に分解します。

すると斜面鉛直方向については斜面垂直方向の重力成分と垂直抗力がつりあっています。

斜面方向では重力の斜面方向の成分と弾性力がつりあっています。

今回求めるものはばね定数です。

よって斜面方向についてのつりあいの式である

\[
mg\sin30^\circ = ka
\]

を\(k\)について解けばOKです。

問4

浮力と力のつりあいの問題です。

これも物体にはたらく力を図示します。

※糸は点線で表しています。

物体にはたらくのは重力\(mg\)、浮力\(F\)、張力\(T\)です。

これらの力がつりあっているので、つりあいの式を立てるのですが、注意点があります。

物体の質量\(m\)ではなく体積と密度が与えられています。

そのため密度と体積から質量を求める必要があることに注意です。

密度\(\times\)体積\(=\)質量であるので

\[
m=5.0\times10^{-5} \times 3.0\times10^3
\]

となります。

また、物体にはたらく浮力\(F\)の大きさは

\[
F=\rho V g
\]

で表されました。

\(\rho\)は流体の密度、\(V\)は物体が排除した流体の体積、\(g\)は重力加速度です。

今回流体は水、排除された流体の体積は小石の体積であるので

\[
F=1.0\times10^3 \times 5.0\times10^{-5} \times 9.8
\]

です。

あとは力のつりあいの式

\[
T+F=mg
\]

に代入して計算すればOKです。

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大問2

運動方程式、鉛直投げ上げ運動について出題されました。

問1

運動方程式の問題です。

(1)

物体にはたらく運動方向の力のみを図示すると以下の図のようになります。

もちろん重力や垂直抗力もはたらいていますが、運動方向と関係のない力であるので省略してあります。

運動方程式を立てると

\[
ma=F
\]

であり、加速度を求めたいので\(a=\)の形に直すと

\[
a=\frac{F}{m}
\]

となり、あとは与えられている数字を代入して計算すればOKです。

(2)

次におもりを滑車を通してつけた場合を考えます。

これも同様に物体にはたらく力を図示してみます。

今回も運動方向の力のみを図示しています。

「おもりの重さが\(1.0\)N」と与えられていますが、「重さ=重力の大きさ」であるのでおもりにはたらく重力が\(1.0\)Nということです。

\(1.0\)のまま計算していってもよいのですが、おもりの重さを\(M\)として考えていきます。

力を図示したら運動方程式をそれぞれの物体について立てます。

まずは物体についてです。

\[
ma=T\ \ \ \mbox{・・・①}
\]

となり、次におもりの運動方程式を考えると

\[
Ma=Mg-T
\]

となります。

2つを方程式の左辺同士、右辺同士を足します。

すると

\[
(m+M)a=Mg\ \ \ \mbox{・・・②}
\]

となります。

これを\(a\)について解くと

\[
a=\frac{Mg}{m+M}
\]

これを①式に代入して\(T\)を求めると

\[
T=\frac{mMg}{m+M}
\]

です。

ここで、\(Mg=1.0\)から\(M\)の値を求めると

\[
\begin{align}
M&=\frac{1.0}{g}\\
&=0.10
\end{align}
\]

となります。

\(m=2.0\)、\(Mg=1.0\)であるので\(T\)の式に代入すると

\[
\begin{align}
T&=\frac{2.0\times1.0}{2.0+0.1}\\
&=0.95
\end{align}
\]

となり、\(T\)は\(1.0\)Nより小さくなります。

問2

投げ上げ運動の問題です。

(1)

ボールが投げた点に戻ってくる時間を求めます。

投げ上げ運動の対称性から投げてから最高点に達した時間と最高点から投げた位置に戻ってくる時間が等しいという性質があります。

\(1.0\)秒で最高点に達したことから、最高点から投げた位置に戻ってくるのに\(1.0\)秒かかるので\(1.0\times2=2.0\)と求まります。

この性質を知らなかった場合の解き方についても解説しておきます。

まずは物体にはたらく力を図示して加速度を求めます。

なお、物体の質量を\(m\)とします。

投げ上げた位置を\(0\)として、適当な位置での運動方程式を立てると

\[
ma=-mg
\]

となるので加速度\(a\)は

\[
a=-g
\]

となります。

物体の速度の式は初速度を\(v_0\)とすると

\[
v=v_0-gt
\]

物体の位置の式は

\[
x=0+v_0t-\frac{1}{2}gt^2
\]

となります。

最高点では\(v=0\)となるので

\[
\begin{align}
0&=v_0-gt\\
gt&=v_0\\
t&=\frac{v_0}{g}
\end{align}
\]

です。

また、物体が再び投げた位置、つまり\(x=0\)に戻ってくる時間は、位置の式を\(x=0\)を代入すると

\[
\begin{align}
0&=0+v_0t-\frac{1}{2}gt^2\\
\frac{1}{2}gt^2-v_0t&=0\\
\frac{1}{2}t(gt-2v_0)&=0\\
\end{align}
\]

であり、\(t\)について解くと\(\left(t=0\ ,\ \frac{2v_0}{g}\ \right)\)となります。

\(t=0\)の時は物体を投げ上げた瞬間であるので、物体が投げた位置に戻ってくる時間は\(\frac{2v_0}{g}\)と求まります。

これと先程求めた最高点に達する時間とを比較すると、投げ上げた位置に戻ってくる時間は最高点に達する時間の2倍になっていることがわかります。

よって、最高点に達するまでにかかった時間を2倍すればOKとなります。

(2)

最高点の高さを求めます。

位置の式に最高点に達するときの時間を代入して計算すればOKです。

\[
x=v_0t-\frac{1}{2}gt^2
\]

\(v_0\)の値がわかっていないので求める必要があります。

最高点に達する時間を文字で表すと

\[
t=\frac{v_0}{g}
\]

でした。

この\(t\)に\(1.0\)を代入して\(v_0\)を求めると

\[
v_0=g
\]

となります。

この初速度と最高点に達する\(t=1.0\)を位置の式に代入すると

\[
\begin{align}
x&=g-\frac{1}{2}g\\
&=g\left(1-\frac{1}{2}\right)
\end{align}
\]

となるので、あとは\(g\)を代入して計算すればOKです。

このように、文字で考えて値の代入は最後にすると計算が楽になるので、文字での計算に慣れておくとよいでしょう。

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まとめ

今回はここまでです。

次回は続きを解説していきます。

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