前回の続きで大問4〜6についてポイントを解説していきます。
前回の記事はこちらから。

大問4
2次関数の最大値・最小値、\(x\)軸との共有点、2次不等式が出題されました。
(1)について
最大値・最小値を求める問題です。
最大値・最小値を考える時はグラフを用いて考えましょう。
与えらている式からグラフをかくと以下のようなグラフがかけます。
下に凸の頂点が\((\ -1\ ,\ 5\ )\)のグラフです。
ここで定義域が\(-3≦x≦1\)と与えられているのでこの範囲のみ赤色にしてみると以下のようになります。
すると最大値と最小値がひと目でわかります。
最大値は\(x=-3\ ,\ 1\)、のとき、最小値は\(x=-1\)の時です。
後はこの時の\(y\)の値を求めればOKです。
定義域の両端の座標を代入して終わり、という人がいますがそれでは今回のように頂点が最小値となる場合に対応することができません。
なので必ずグラフをかいて最大値・最小値を考えるようにしてください。
(2)について
\(x\)軸との共有点を求める問題です。
\(x\)の共有点は\(y\)座標が\(0\)であるので、グラフの式に\(y=0\)を代入して2次方程式を解けばOKです。
問題文に与えられている答えの形からもわかるように因数分解をすることができます。
acx^2+(ad+bc)x+bd=(ax+b)(cx+d)
\]
とたすきがけを利用して因数分解をしましょう。
別解として解の公式を利用して解くこともできます。
その場合、符号のミスや計算ミスに十分注意してください。
(3)について
2次不等式の問題です。
2次不等式を解くときもグラフをかいて考えることで視覚的にもわかりやすくなります。
今回問題文にグラフが与えられていますが、無い場合は自分でグラフをかくようにしてください。
その場合、因数分解形であるので\(x\)軸との共有点がわかっており、\(a=-1\)であるので上に凸のグラフになります。
考える2次不等式は\(-(x-3)(x-7)≦0\)です。
\(y\)の値が0以下になる範囲を考えるので以下の図の水色の部分となります。
等号を含めるので\(x\)軸との共有点は黒丸で表します。
後はこのグラフの水色の部分の\(x\)の範囲を選択肢から選べばOKです。
大問5
大問5では三角比、三角比の値、三角比の計算、余弦定理、面積の問題が出題されました。
(1)について
三角比を利用して長さを求める問題です。
与えられた図の直角三角形に着目しましょう。
求める長さを\(x\)とおきます。
底辺、対辺、角度の関係であるので\(\tan\)を利用して長さを求めます。
\[
\tan75^\circ = \frac{x}{40}
\]
となるので\(x=\)に変形します。
\[
x= 40\times \tan 75^\circ
\]
を計算すればOKです。
なお、\(\tan75^\circ\)の値は問題文に示されているのでそれを用いてください。
(2)について
三角比の値を求める問題です。
\(\cos 105^\circ\)の値を求めるのですが
\cos (180^\circ – \theta) = -\cos \theta
\]
を利用します。
\(105^\circ = 180^\circ – 75^\circ\)であるので
\[
\begin{align}
\cos 105^\circ&=\cos(180^\circ – 75^\circ)\\
&=-\cos 75^\circ
\end{align}
\]
となります。
\(\cos 75^\circ\)の値は問題文に与えられているのでそれを利用すればOKです。
(3)について
三角比の計算の問題です。
・\(\sin 60^\circ = \frac{\sqrt{3}}{2}\)
・\(\cos 30^\circ = \frac{\sqrt{3}}{2}\)
・\(\cos 60^\circ = \frac{1}{2}\)
これらの値を代入すればOKです。
なお、\(\sin\)、\(\cos\)、\(\tan\)について、\(0^\circ\)、\(30^\circ\)、\(45^\circ\)、\(60^\circ\)、\(90^\circ\)、\(120^\circ\)、\(135^\circ\)、\(150^\circ\)、\(180^\circ\)の各値は覚えておきましょう。
(4)について
余弦定理の問題です。
求める長さを文字でおいて、余弦定理の式にあてはめて計算すればOKです。
見分け方としてはわかっているものと求めるものの関係が2辺とその間の角ということから余弦定理を使うと判断するとよいでしょう。
この余弦定理を利用して長さを求めるような問題は毎年出題されているので確実に解けるようにしておきましょう。
(5)
平行四辺形の面積を求める問題です。
平行四辺形の面積は「底辺\(\times\)高さ」で求めることができましたが、問題文の図には高さが与えられていません。
そのため三角比を利用して高さを求め、平行四辺形の面積を求めます。
以下の図のように点Dから点ABに垂線を引きます。(赤線)
そしてこの垂線の長さを\(h\)とし、ABとの交点をEとします。
直角三角形ADEに着目すると斜辺と対辺との関係であるので\(\sin\)を利用して\(h\)を求めます。
\[
\sin 60^\circ = \frac{h}{2}
\]
より、\(h=\)の形にすると
\[
\begin{align}
h &= 2 \times \sin 60^\circ\\ \\
&= 2 \times \frac{\sqrt{3}}{2}\\ \\
&= \sqrt{3}
\end{align}
\]
と高さが求まるのでこれで平行四辺形の面積を求めることができます。
大問6
代表値、箱ひげ図、分散、散布図について出題されました。
(1)について
代表値の問題です。
最頻値、中央値を求めるのですがヒストグラムを読み取る必要があります。
まずは最頻値からです。
ヒストグラムから最頻値を読み取る場合、縦軸(今回は人数)が最も多い値を示す点数を見つけましょう。
中央値については、データの個数が20個であるので、中央値は10人と11人の点数の平均になります。
左から人数を足していき、10人と11人目がどの点数に属しているのかをチェックしていきます。
すると、2点が1人、3点が2人、4点が7人、5点が3人・・・であるので、10人目は4点、11人目は5点に属していることがわかります。
よって、この平均をとると
\[
\frac{4+5}{2}=4.5
\]
とわかります。
(2)について
箱ひげ図の読み取りの問題です。
箱ひげ図のそれぞれどの部分が何を表しているのか確認しておきましょう。
箱ひげ図を書かされる問題は出題されていませんが、理解を深めるためにも自分で書けるように練習しておきましょう。
今回はもう1つ箱ひげ図に関して確認しておきます。
以下の図を見てください。
それぞれの四分位数に該当するデータの数は\(25\)%ずつです。
よって今回のデータであれば、第1四分位数までに
\[
280 \times 0.25 = 70\ \ \ \mbox{(人)}
\]
がいます。
以下の図に問題文の箱ひげ図のそれぞれの四分位数までの累計人数を示しておきました。
これをふまえて選択肢を確認していって下さい。
(3)について
平均値と分散を求める問題です。
平均値はデータの和をとり、個数で割ればOKです。
分散については式が与えられているのでそれを利用して求めればOKです。
(4)について
相関係数の問題です。
与えられた相関係数から適する選択肢を選びます。
相関係数はデータがバラけているほど\(0\)、右肩上がりでギュッと集まっているほど\(1\)、右肩下がりでギュッと集まっているほど\(-1\)に近い値になります。
問題文に与えられている相関係数は\(-0.72\)です。
\(-1\)に相関係数が近いことから右肩下がりでデータが集まっている散布図を選べばOKです。
終わりに
過去問を解く際に参考にしてみて下さい。
詳しい解き方についてはまた別の記事で解説する予定です。
今回はここまでです。
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