今回は高卒認定試験数学の平成29年度第2回目のポイント解説をしていきます。
問題や解答については文部科学省のHPにあるもの参照するか、過去問題集などを持っている人はその問題を見てもらってもOKです。
・どのような知識が必要か
・どう解くのがよいのか
といった視点からそれぞれの問題について説明していきます。
大問1
因数分解、展開、集合と要素が出題されました。
(1)について
因数分解の問題です。
acx^2+(ad+bc)x+bd=(ax+b)(cx+d)
\]
とたすきがけを利用します。
\(ac=2\)、\(ad+bc=-1\)、\(bd=-6\)として解きましょう。
(2)について
展開の問題です。
まず\((x-1)(x-2)\)を展開し、そこに\(x\)をかけるとよいでしょう。
\[
\begin{align}
x\{(x-1)(x-2)\}&=x(x^2-3x+2)\\
&=x^3-3x^2+2x
\end{align}
\]
(3)について
集合と要素の問題です。
\(\cap\)は\(A\cap B\)で\(A\)、\(B\)どちらにも属する要素全体の集合を表します。
どちらにも属する必要があるので片方の集合にしか属していないものは当てはまりません。
つまり下記のベン図の斜線部に当てはまる選択肢を選べばOKです。
大問2
1次不等式、1次不等式の文章問題が出題されました。
(1)について
1次不等式の問題です。
分数の形をしているので両辺に\(5\)をかけます。
\[
\frac{3x-1}{5}\times5=(x+3)\times5
\]
注意点として、特に左辺は必ず( )をつけるようにしてください。
( )をつけ忘れると\(x\)だけに\(5\)をかけてしまうようなミスがおきてしまいます。
右辺全体、左辺全体に\(5\)をかけていることを意識してください。
後は移行をして不等式を解けばOKです。
左辺に\(x\)を含む項を集める場合最終的な答えを出す時に両辺に負の数をかける(もしくは負の数で割る)必要があるので、不等号の向きを逆にすることを忘れないようにしてください。
不等号の向きのミスが心配な人は、右辺に\(x\)を含む項を集めると負の数をかける(もしくは負の数で割る)必要がなくなります。
このように、不等号の向きを逆にする操作がでないように移項して計算ミスを減らすこともできるので試してみてください。
(2)について
1次不等式の文章問題です。
ポイントは問題文から式を正しく立てられるかどうかです。
問題文を読み取り、式を立てることが苦手という人は「具体例を考える」ことをオススメします。
購入する幕の内弁当の個数を求めるのでこれを\(x\)とおきます
幕の内弁当を1個買ったとします。
ハンバーグ弁当と合わせて12個買うことから、購入するハンバーグ弁当の個数は\(12-1=11\)個となります。
よって代金の合計を求める式は
\[
700\times1 + 500\times(12-1)
\]
です。
次に幕の内弁当を2個買ったとすると、同様に考えて
\[
700\times2 + 500\times(12-2)
\]
です。
購入するハンバーグ弁当の個数は12個から購入する幕の内弁当の個数を引けばよいことがわかります。
よって幕の内弁当を\(x\)個買ったとすると
\[
700\times x + 500\times (12-x)
\]
と代金の式を立てることができます。
後は代金の合計が\(7500\)円以下になればよいので
\[
700\times x + 500\times (12-x)≦7500
\]
という不等式を解けばOKです。
大問3
グラフの平行移動、グラフの式の決定、グラフの頂点の座標が出題されました。
(1)について
グラフの平行移動の問題です。
\(y=2x^2\)のグラフを\(x\)軸方向に\(p\)、\(y\)軸方向に\(-4\)だけ平行移動したということなでで、このグラフの式を考えると
\[
y=2(x-p)^2-4
\]
となります。
グラフの平行移動の仕方についてはこちらの記事を参考にしてください。

また、問題文からこの平行移動後のグラフが
\[
y=2(x-2)^2+q
\]
となることがわかっているので、2つの式を比較します。
すると
・\(p=2\)
・\(-4=q\)
であることがわかるので、後は選択肢から適するものを選べばOKです。
(2)について
グラフを表す式を決定する問題です。
因数分解形のグラフの式とグラフが通る点が与えられています。
グラフが通る点が与えられているので、その点の座標である\(x=0\)、\(y=6\)を代入して\(a\)についての方程式を解いて選択肢から適する\(a\)の値を選びましょう。
(3)について
頂点の座標を求める問題です。
グラフの形が一般形であるので標準形に直す必要があります。
平方完成をする必要があるのですが不安な人は以下の記事を参考にしてください。

標準形に直せたら後は頂点の座標を読み取るだけです。
今回のようにグラフが与えられている場合はそれを利用して解くこともできます。
しかしグラフが与えられていないと使えないですし、これから説明する方法に頼らずグラフの式を標準形にして頂点を読み取れるようにしておいてください。
では説明していきます。
この方法はグラフの軸が頂点を通ることを利用します。
以下の図のように2次関数のグラフの軸は頂点を通り\(x\)軸に垂直な線です。
よって、グラフと\(x\)軸との共有点の中点となります。
これにより、頂点の\(x\)座標が\(-1\)とわかります。
後はグラフの式に\(x=-1\)を代入して\(y\)の値を求めれば、頂点の座標の\(y\)座標が求まります。
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