【高卒認定試験物理基礎】平成30年度1回目 ポイント解説その2

今回は高卒認定試験物理基礎の平成30年度第1回のポイント解説の続きをしていきます。

【高卒認定試験物理基礎】平成30年度1回目 ポイント解説その1
今回は高卒認定試験物理基礎の過去問のポイント解説です。どのような問題が出題されているのか、どのような知識が必要か、どのように解くのがよいのかなど把握して過去問演習をより効果的に行えるようにしましょう。

大問3、大問4についてです。

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大問3

大問3は力学と熱からの出題です。

問1は重力による位置エネルギー、問2はエネルギー保存についてです。

そして問3は比熱と熱容量、問4は気体の内部エネルギーについてです。

それでは個々の問についてポイントを確認していきます。

問1

問1は位置エネルギーについてです。

基準点から高さ\(h\)[m]にある質量\(m\)[kg]の物体のもつ重力による位置エネルギー\(U\)[J]は以下のように表されます。

\[
U=mgh
\]

問題文から質量\(m=2.5\)、基準点は地面であり高さ\(h=20\)、重力加速度\(g=9.8\)を代入すればOKです。

問2

問2はエネルギー保存についての問題です。

ばねが縮められたことにより弾性力による位置エネルギーをもちます。

そして手を離したことで弾性力による位置エネルギーが運動エネルギーに変わっていきます。

まず、弾性力による位置エネルギー、運動エネルギーについて簡単に確認しておきます。

ばね定数\(k\)[N/m]のばねが自然長から\(x\)[m]伸びた(縮んだ)ときの弾性力による位置エネルギー\(U\)[J]は以下のように表されます。

\[
U=\frac{1}{2}kx^2
\]

質量\(m\)[kg]の物体が速さ\(v\)[m/s]で運動している時にもつ運動エネルギー\(K\)は以下のように表されます。

\[
K=\frac{1}{2}mv^2
\]

Aをばねを\(0.20\)[m]縮めた時、Bを手を離して縮みが\(0.10\)[m]になった時とします。

Aの時には物体は弾性力による位置エネルギーのみを持っています。

A:\(\frac{1}{2}k(0.02)^2\)ー①

Bでは弾性力による位置エネルギーと運動エネルギーを持っています。(ばねがまだ縮んでいるので弾性力による位置エネルギーも持っています。)

B:\(\frac{1}{2}k(0.01)^2+\frac{1}{2}mv^2\)ー②

この弾性力は保存力と呼ばれるものでした。

物体に保存力のみがはたらく場合、力学的エネルギーは保存されるのでAとBは等しくななり①=②です。

\[
\frac{1}{2}k(0.02)^2=\frac{1}{2}k(0.01)^2+\frac{1}{2}mv^2
\]

後はこの式を\(\frac{1}{2}mv^2=\)の形に変形すればOKです。

問3

問3は熱容量と比熱に関する問題です。

熱容量と比熱についてまずは用語を確認しておきましょう。

熱容量
・物質の温度を1Kだけ上昇させるのに必要な熱量
・熱容量\(C\)[J/K]の物体の温度を\(\Delta T\)だけ変化させるのに必要な熱量Q[J]は\(Q=C\Delta T\)と表さられる

比熱
・単位質量の物質の温度を1Kだけ上昇させるのに必要な熱量
・質量\(m\)[g]、比熱\(c\)[J/(g・K)]の物体の温度を\(\Delta T\)[K]だけ上昇させるのに必要な熱量\(Q\)[J]は\(Q=mc\Delta T\)と表される

問題文に与えられたそれぞれの量は\(m=50\)[g]、\(Q=1350\)[J]、\(\Delta T=30\)[K]です。

熱容量や比熱の定義に従ってそれぞれ代入して個々に計算してもよいのですが、比熱と熱容量の関係\(mc=C\)を利用すると計算量を減らすことができます。

比熱をまず求めたら質量をかければ熱容量が求まりますし、熱容量を先に求めたら質量で割ることで比熱が求まります。

問4

気体の内部エネルギーについての問題です。

問題文に「熱力学第一法則によって求めることができる」とあるので熱力学第一法則を利用しましょう。

熱力学第一法則と気体の内部エネルギーについて確認しておきます。

気体の内部エネルギーは、気体分子の熱運動による運動エネルギーの合計と考えることができました。

また、熱力学第一法則は「物体の内部エネルギーの変化\(\Delta U\)[J]は、物体が受け取った熱量\(Q\)[J]と物体がされた仕事\(W\)[J]の和に等しい」というものでした。

これは\(\Delta U\)を内部エネルギーの変化、\(Q\)を物体が受け取った熱量、\(W\)を物体がされた仕事とすると

\[
\Delta U=Q+W
\]

と表すことができます。

後は問題文に従って穴埋め部分を考えていきます。

熱が加えられているので、気体は熱量を受けっとています。

つまり、\(Q\)の符号は正です。

また、気体を圧縮していることから気体が仕事をされているので\(W\)の符号も正です。

後は先程の式にそれぞれの値を代入すれば気体の内部エネルギーの変化を求めることができます。

気体分子の熱運動についてですが、熱量を受け取っており、さらに仕事もされているので激しくなります。

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大問4

大問4は波についての問題が出題されました。

縦波の横波への変換、定常波、音波の性質、気柱の振動についてです。

それでは個々の問題についてポイントを解説していきます。

問1

問1は縦波を横波に変換したグラフの読み取りの問題です。

縦波を横波へ変換させる時は

縦波 → 横波
    ・\(x\)軸正の向きに変位 → \(y\)軸正の向き
    ・\(x\)軸負の向きに変位 → \(y\)軸負の向き

にそれぞれ変えます。

今回は横波が与えられているので、これを縦波に直して考えましょう。

やり方は、縦波を横波に直す時の逆をすればOKです。

すると以下のようになります。

\(a\)〜\(e\)点の媒質について青が横波の時、赤が縦波の時のそれぞれの位置です。

\(a\)、\(c\)、\(e\)については重なっているため縦波の時の媒質の位置を優先させてあります。

後はこれを元に選択肢を判断していきますが、読み取りのポイントをまとめておきます。

・最も密な点 → 媒質が周囲に集まる点
・最も疎な点 → 媒質が周囲から遠ざかる点
・媒質の速さが最大の点 → 媒質が振動の中心を通過する点
・媒質の速さが0の点 → 媒質の変位の大きさが最大の点

これを参考に解けばOKです。

問2

問2は定常波に関する問題です。

定常波について簡単に確認しておきましょう。

反対向きに同じ速さで進む波長・振幅の等しい正弦波が重なると、その合成波は進行していないように見え、これを定常波といいます。

定常波には全く振動しないと呼ばれる所と大きく振動するという所があり。交互に並んでいます。

この節と節、または腹と腹の間隔はもとの波の波長\(\lambda\)の半分です。

定常波の腹同士、節同士の間隔はもとの波の波長または振動数が変化することで変化します。

定常波の振幅は互いの波が重なり合うので、それぞれの波の振幅を足したものが定常波の振幅になります。

これらのポイントをおさえて選択肢をチェックしてください。

問3

問3は音波に関する問題です。

音波の性質のついて確認していきます。

音波
・空気の振動が縦波となって伝わり、全ての媒質中を伝わる。
・音の大きさは振幅によって決まり、振幅が大きくなるほど音は大きく、小さくなるほど音は小さくなります。
・音の高さは振動数によって決まり、振動数が大きくなるほど音は高く、小さくなるほど音は低くなります。
・1気圧、\(t\)[℃]の空気中の音の速さ\(V\)は\(V=331.5+0.6t\)と表され、温度が高くなるほど、早く伝わる。

このポイントをおさえて選択肢をチェックしてください。

問4

問4は気柱の振動についてです。

「あるところで大きな共鳴音が聞こえた」とあることから定常波ができていることがわかります。

500Hzの音と共鳴しているので、気柱の振動数も500Hzとなっています。

また、「定常波の腹は開口端にあるものとする」ということから開口端補正は考えなくてもよいです。

以下の図を見てください。

水中から出ている部分の長さを\(l\)[m]とします。

この中に\(\frac{1}{4}\)波長分の振動ができているので、波長を\(\lambda\)とすると

\[
\begin{align}
l&=\frac{1}{4} \lambda\\
\lambda&=4l
\end{align}
\]

となります。

また、振動数が500Hzであり、音の伝わる速さは340[m/s]なので、波の基本式\(v=f\lambda\)より

\[
340=500\times \lambda
\]

\(\lambda=4l\)より

\[
\begin{align}
340&=500\times 4l\\
l&=\frac{340}{500\times4}\\
&=0.17
\end{align}
\]

となります。

ここで、\(l\)の単位は[m]で考えていたので[cm]になおすと17[cm]となり答えが求まります。

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まとめ

今回はここまでです。

力学、熱、波からの出題でした。

定義や性質は確実にポイントをおさえておきましょう。

次回も続きを解説していきます。

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