【高卒認定試験物理基礎】平成30年度2回目 ポイント解説その1

今回は高卒認定試験物理基礎の平成30年度第2回の大問1、大問2についてのポイント解説をしていきます。

問題や解答については文部科学省のHPにあるものを参照してください。
(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/kakomon/1411255.htm)

・どのような問題が出題されたか
・どのような知識が必要か
・どう解くのがよいのか

といった視点からそれぞれの問題について説明していきます。

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大問1

大問1は有効数字、等加速度直線運動、自由落下・鉛直投げ下げ、斜面上の運動に関する問題が出題されました。

問1

有効数字に関する問題です。

計算の際の有効数字の扱いに注意しましょう。

かけ算、わり算
→ 計算結果を最も少ない有効数字の桁数にあわせる

足し算、引き算
→ 計算結果を四捨五入によって末位が最も高いくらいのものにあわせる

各選択肢を確認していきましょう。

①は有効数字が3桁であるので文中の2桁は誤りです。

②はかけ算ですので、計算結果を文中に与えられている最も少ない有効数字の桁数である2桁あわせる必要があります。正方形の面積を求めると
\[1.3\times1.3=1.69\ \rm m^2\] であるので、2桁にあわせると\(1.7\ \rm m^2\)となるので文中の\(1.6\ \rm m^2\)は誤りです。

③はわり算ですので、これも文中の最も少ない有効桁数にあわせます。今回も2桁なので
\[\frac{12}{6.0}=2.0\ \rm cm^3\] となり、文中の\(2\ \rm cm^2\)では有効数字が1桁ですので誤りです。

最後に④です。残ったこれが答えとなりますが、足し算の計算結果の扱いについて確認しておきましょう。継ぎ足した長さを計算すると、\(15\ \rm cm=0.15\ \rm m\)であるので
\[1.2+0.15=1.35\ \rm m\] という計算結果になります。\(1.2\ \rm m\)と\(0.15\ \rm m\)の末位を比べると、小数第一位と小数第二位です。よって、末位の位が高いのは\(1.2\ \rm m\)であるので、計算結果も小数第一位にあわせ、\(1.4\ \rm m\)となります。

問2

等加速度直線運動に関する問題です。加速度と進んだ距離を求めます。等加速度直線運動の3式

\(v=v_0+at\ \text{・・・①}\)
\(x=x_0+v_0t+\frac{1}{2}at^2\ \text{・・・②}\)
\(v^2-v_0^2=2ax\ \text{・・・③}\)

の①、②式にそれぞれ問題文中の数値を代入して計算することができますが、加速度の定義や\(v-t\)図を用いた方法でも求めることができるので、どちらも確認しておきましょう。

まずは加速度から求めます。

<加速度の定義から考える場合>
加速度とは単位時間あたりの速度変化のことでした。時刻\(t_1\)の時に速度\(v_1\)であった物体が時刻\(t_2\)の時に速度\(v_2\)に変化したときの加速度は

\[a=\frac{v_2-v_1}{t_2-t_1}\]

で求めることができました。

今回の問題では、はじめ\(6.0\ \rm m/s\)であったバイクが\(3.0\ \rm s\)後に\(18\ \rm m/s\)になったとあるので

\[\frac{18-6.0}{3.0-0}=\frac{12}{3.0}=4.0\ \rm m/s^2\]

と加速度が求まります。

<等加速度直線運動の式を使う場合>
もちろん、等加速度直線運動の式の\(v=v_0+at\)に代入して計算しても求まります。

はじめの速さが\(6.0\ \rm m/s\)であるので、バイクの速さは

\[v=6.0+at\]

と表すことができ、\(3.0\ \rm s\)のときの速さが\(18\ \rm m/s\)であるので

\[18=6.0+3.0a\]

これを\(a\)について解けば\(a=4.0\ \rm m/s^2\)と求まります。

次に、進んだ距離についてです。

<等加速度直線運動の式を使う場合>
②式に代入して計算してみると、\(v_0=6.0\)、\(t=3.0\)、加速度は先ほど求めた\(4.0\)を用いて

\[x=6.0\times3.0+\frac{1}{2}\times4.0\times3.0^2=36\]

となります。

<\(v-t\)図を用いる場合>
\(v-t\)図を用いても求めることができます。\(t=0\)で\(v_0=6.0\)で、傾きが加速度であるので\(4.0\)の直線のグラフになります。(下図)

折返しがないので、このグラフの面積が進んだ距離と等しくなります。

よって、図の斜線部の面積は

\[x=(6.0+18)\times3.0\times \frac{1}{2}=36\]

と求まります。

問3

自由落下と鉛直投げ下ろしの問題です。どちらも鉛直下向きを正としています。

自由落下は初速度\(0\)、加速度\(g\)で運動するので、\(t\)秒後の速度は

\[v=gt\]

となります。

鉛直投げ下ろしは初速度\(v_0\)、加速度\(g\)で運動するので、\(t\)秒後の速度は

\[v=v_0+gt\]

となります。

また、相対速度は小球Aの速度を\(v_A\)、小球Bの速度を\(v_B\)とすると、AからみたBの相対速度は観測者の速度を引けばよいので

\[v=v_B-v_A\]

と表されました。

この相対速度の式に、自由落下する小球Aの速度と鉛直投げ下げ運動をする小球Bの速度を代入して

\[v_0+gt-gt=v_0\]

と求まります。

問4

問4は\(v-t\)図に関する問題です。

\(v-t\)図の傾きは加速度を表していました。AB間、BC間、CD間のそれぞれの加速度を求めて適切な\(v-t\)図を選びます。

まずはAB間の加速度です。物体にはたらく力を考えて運動方程式を用いて加速度を求めましょう。運動方向を正ににとって考えます。

運動方向の力のみを図示すると、摩擦のない斜面であるので物体には下図のような力がはたらいています。なお、物体の質量を\(m\)、斜面の傾きを\(\theta_1\)としています。

物体の運動方向の運動方程式を考えると

\[ma_{AB}=mg\sin \theta_1\]

となり、加速度を求めると

\[a_{AB}=g\sin \theta_1\]

となります。よって、傾き正の直線となります。

次にBC間です。BC間では運動方向に力がはたらきません。そのため等速直線運動をするので加速度は\(a_{BC}=0\)です。よって、\(t\)軸に平行な直線となります。

最後にCD間です。物体にはたらく運動方向の力を考えると摩擦のない斜面なので下図のようになります。なお、斜面の傾きは\(\theta_2\)としています。

物体の運動方程式を考えると

\[ma_{CD}=-mg\sin \theta_2\]

となり、加速度を求めると

\[a_{CD}=-g\sin \theta_2\]

となります。よって、傾き負の直線となります。

ここで、\(\theta_1\)と\(\theta_2\)とでは\(\theta_1\)の方が\(90^\circ\)に近いので傾きの大きさは\(a_{AB}>a_{CD}\)であるので、AB間の傾きの方が急になるため、①の選択肢が正解となります。

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大問2

大問2は力のつりあい、作用反作用、運動の法則、についての出題がありました。

問1

問1は力のつりあいと作用反作用の関係に関する問題です。

力のつりあいは同一物体の関係作用反作用は異なる物体間の関係なことに注意してください。

選択肢を確認していきましょう。

①が正解の選択肢です。\(f_1\)と\(f_2\)はどちらもりんごにはたらく力であり、りんごが静止していることからこの2力はちからのつりあいの関係があります。

他の選択肢についても確認していきましょう。

②についてです。\(f_4\)と\(f_2\)は異なる物体間の力ですが、作用反作用の関係にはありません。作用反作用の関係を考えるときは力の主語と目的語を入れ替えることで簡単に見つけることができます。例えば\(f_4\)である重力は「地球が物体を引く力」です。この主語と目的語を入れ替えると「物体が地球を引く力」となります。この2力が作用反作用の関係にあります。よって、\(f_4\)と\(f_2\)は作用反作用の関係にはありません。

③についてです。\(f_3\)と\(f_2\)は別物体間の関係であるので力のつりあいの関係ではありません。

最後に④についてです。\(f_4\)と\(f_5\)は同一物体の関係ですが力のつりあいではありません。箱の力のつりあい鉛直上向きを正とすると\(f_5=f_3+f_4\)であるので、④の選択肢には\(f_3\)が足りません。

問2

問2は力のつりあいに関する問題です。

力を分解し、鉛直方向と水平方向の力のつりあいの式を立て、張力を求めようとすると角度が糸のなす角がわからないので値を計算することができません。

そこで別の方法を用いて求める必要があります。

張力の合力を考えます。この合力が物体にはたらく重力とつりあえばよく、この時、2力は同一直線状にあり、大きさが等しく、逆向きになっているはずです。この合力を図示すると下図の赤い矢印のようになり、\(T=10\ \rm N\)です。

また、斜線部の直角三角形と、糸と天井がつくる直角三角形とが相似な関係にあるので、その相似比も等しくなることを利用すると、張力はそれぞれ

\[T:T_{AC}=5:3\] \[T:T_{BC}=5:4\]

であるので、糸ACの張力は\(6.0\ \rm N\)、糸BCの張力は\(8.0\ \rm N\)となります。

問3

問3は運動の法則に関する問題です。

物体にはたらく力を図示すると以下のようになります。

(1) 等速度で鉛直上向きに引き上げているということは、物体にはたらく力がつりあっています。

よって、物体にはたらく重力と張力がつりあっているので

\[T=mg\]

であり、\(m=0.50\)、\(g=9.8\)を代入すると張力は

\[T=0.50\times9.8=4.9\ \rm N\]

となります。

(2) 物体の運動方程式は、加速度が鉛直上向きに\(4.0\ \rm m/s^2\)であるので、加速度の向きに合わせて、鉛直上向きを正とすると

\[0.50\times4.0=T-0.50\times9.8\]

であるので、\(T\)について解くことで張力が求まります。

この計算をするときは重力の大きさを移項して

\begin{align}
T&=0.50\times4.0+0.50\times9.8\\
&=0.50(4.0+9.8)\\
&=0.50\times13.8\\
&=6.9\ \rm N
\end{align}

と求まります。

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まとめ

今回はここまでです。

平成30年度2回目ポイント解説その2はこちらから。

【高卒認定試験物理基礎】平成30度2回目 ポイント解説その2
今回は高卒認定試験物理基礎の過去問のポイント解説です。どのような問題が出題されているのか、どのような知識が必要か、どのように解くのがよいのかなど把握して過去問演習をより効果的に行えるようにしましょう。

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