今回は高卒認定試験数学の平成30年度第2回目のポイント解説をしていきます。
今回は大問1〜大問3についてポイント解説をしていきます。
問題や解答については文部科学省のHPにあるもの(http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/kakomon/1411255.htm)を参照するか、過去問題集などを持っている人はその問題を見てもらってもOKです。
・どのような知識が必要か
・どう解くのがよいのか
といった視点からそれぞれの問題について説明していきます。
大問1
整式の加法・減法、展開、集合と要素からの出題でした。
(1)について
整式の加法・減法の問題です。
問題文から式を作り文字式を求めるという問題です。
ポイントは正しく問題文を読み取り式を立てられるかどうかです。
「\(A\)から\(x^2+2x-5\)を引いたら」とあるので
\[
A-(x^2+2x-5)
\]
です。
ここで、\(x^2+2x-5\)に必ず( )をつけてから引くように注意してください。
もし( )をつけないまま引いてしまうと
\[
A-x^2+2x-5
\]
と\(A\)から\(x^2+2x-5\)を引いたことにならないので気をつけてください。
そして引いた結果が\(2x^2-4x-1\)となるのでこれを先程の式と「=」で結んで
\[
A-(x^2+2x-5)=2x^2-4x-1
\]
として式は完成です。
後はこれを\(A\)について解けばOKです。
(2)について
展開の問題です。
( )の中が3項の展開です。
(a+b+c)^2=a^2+b^2+c^2+2ab+2bc+2ca
\]
の展開公式に\(a=x\)、\(b=y\)、\(c=1\)として代入して計算してもよいですし、1つ1つかけて丁寧に計算してもOKです。
(3)について
集合と要素の問題です。
\(\cap\)は\(A\cap B\)で\(A\)、\(B\)どちらにも属する要素全体の集合を表します。
どちらにも属する必要があるので片方の集合にしか属していないものは当てはまりません。
つまり下記のベン図の斜線部に当てはまる選択肢を選べばOKです。
大問2
1次不等式、不等式の文章問題が出題されました。
(1)について
1次不等式の問題です。
まず、( )があるので分配法則を利用して( )を外してから計算をしましょう。
移項をする時ですが、左辺に\(x\)を含む項を集める場合最終的な答えを出す時に両辺に負の数をかける(もしくは負の数で割る)必要があるので、不等号の向きを逆にすることを忘れないようにしてください。
不等号の向きのミスが心配な人は、右辺に\(x\)を含む項を集めると負の数をかける(もしくは負の数で割る)必要がなくなります。
このように、不等号の向きを逆にする操作がでないように移項して計算ミスを減らすこともできるので試してみてください。
(2)について
不等式の文章問題です。
ポイントは問題文から式を正しく立てられるかどうかです。
問題文を読み取り、式を立てることが苦手という人は「具体例を考える」ことをオススメします。
購入する灯油の量を求めたいのでこれを\(x\)とおきましょう。
例えば100L灯油を購入したとしましょう。
すると暖房用として18L使用するので残りは
\[
100-18=82
\]
というように購入したものから使用する量を引けばよいので82Lになります。
そして、この残りの半分を給油用として使用するので
\[
82\times \frac{1}{2}=41
\]
というように\(\times \frac{1}{2\)(もしくは\(\div2)でもよいです\)するので41L給油用に使えることがわかります。
このように具体的な数字を用いるとどう計算したらよいのかイメージしやすくなったかと思います。
これを文字でおきかえてやっていきます。
\(x\)L灯油を購入して暖房用として18L使用すると残りは
\[
x-18
\]
です。
これ以上計算できないのでこのまま次の操作にいきます。
この半分を給油用として使うので
\[
(x-18)\times \frac{1}{2}
\]
となります。
これが給油用として使える灯油の量であり、これが最低30Lあればよいので
\[
(x-18)\times \frac{1}{2}≦30
\]
という式が立てられると思います。
あとはこれを解けばOKです。
大問3
2次関数からグラフの概形、グラフを表す式、頂点の座標が出題されました。
(1)について
グラフの概形を選ぶ問題です。
与えられたグラフの式は\(y=-2x^2+3\)と標準形です。
標準形の形と違う、と思った人もいるかもしれませんが\(y=a(x-p)^2+q\)の\(p\)が0になっているだけです。
\(p\)が0であるので、頂点の\(x\)座標が0であることがわかります。
よって、\(a\)の値が負であることから上に凸、頂点の座標が(\(\ 0\ ,\ 3\ \))のグラフを選べばOKです。
(2)について
グラフを表す式を決定する問題です。
グラフの問題で、「グラフが点\((\ a\ ,\ b\ )\)」を通るとある場合はグラフの式にそれぞれの座標を代入するようにしましょう。
すると今回の場合は\((\ 0\ ,\ 9\ )\)を通るとあるので\(x=0\)、\(y=9\)を与えられた式に代入しましょう。
\(a\)についての1次方程式になるので解けばOKです。
(3)について
頂点の座標を求める問題です。
グラフの形が一般形であるので標準形に直す必要があります。
平方完成をする必要があるのですが不安な人は以下の記事を参考にしてください。

標準形に直せたら後は頂点の座標を読み取るだけです。
まとめ
今回はここまでです。
次回は大問4〜6についてポイント解説をしていきます。
次回の記事はこちらから。

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