前回から中1数学の方程式の文章問題の解説に入りました。

特に立式までの流れを意識してください。
連続する整数の問題
まずは、連続する整数の問題です。
このような問題をまずは考えてみましょう。
ポイントは連続する3つの整数をどのように文字でおくかです。
では、前回のように段階を踏んで考えていきましょう。
まずは「数量関係を考える」です。
問題文から、3つの整数の和(足し算)が42とあるので、3つの整数を整数A,整数B、整数Cとすると
のような関係式になります。
次は、「求めるものを文字でおく」です。
具体例を用いて説明していきます。
連続する3つの整数とは例えば、(4,5,6)、(11,12,13)、(20,21,22)などです。
このように考え、文字でおきます。
3パターン示しましたが、自分のやりやすいおき方を選んでもらえればOKです。
もちろんどのおき方もできるにこしたことはないです。
問題文でどこを\(x\)とおくか指定される場合もあるので、その時はそのおき方に合わせてください
それでは、次に「方程式を立てる」です。
今回は真ん中の整数を\(x\)とおいて考えます。
真ん中の整数を\(x\)とおいた場合、残りの整数は\(x+1\)、\(x-1\)と表すことができるので
方程式は
\[
(x-1)+x+(x+1)=42
\]
式が立ったら「方程式を解く」です。
\[
\begin{align}
(x-1)+x+(x+1)&=42\\
3x&=42\\
x&=14
\end{align}
\]
となります。
最後に「解の確認」です。
今回は真ん中の数を\(x\)とおいたので、残りの2つの整数は13と15です。
3つの整数を足してみましょう。
\[
13+14+15=42
\]
となるので、答えの3つの整数は13、14、15です。
あわせて◯個
次は、あわせて◯個といったような問題です。
まずは、「数量関係を考える」です。
問題文から情報を整理してみると
・120円のお菓子をいくつか買った
・2つの合計は12個
・代金の合計が1300円
です。
お菓子をそれぞれいくつずつ買ったのかわかりませんが、数量関係としては
という関係式になります。
次に、「求めるものを文字でおく」です。
ここがポイントです。
どちらも個数がわかっていないので、両方文字でおいたら?と考えるかもしれません。
しかし、現時点で文字が2つ出てくる方程式を解くことができないので、別の方法を考えてみます。
具体的に考えてみましょう。
2つを合わせると12になることはわかっています。
では、100円のお菓子の個数を求めるので、\(x\)とおいた時、120円のお菓子の個数はどう表せるか、つまり上の表の?がどうなるかが問題です。
ここで、使えるのは合計した個数である12個と文字でおいた100円のお菓子の個数\(x\)個です。
合計した個数が12個になるのですから、片方の個数を12から引けばもう片方の個数になりますね。
つまり、「合計の個数-100円のお菓子の個数」これが120円のお菓子の個数を表します。
数式で表すとしたら
\[
(12-x)\ \ \ \mbox{(個)}
\]
です。
2つのお菓子の個数を表すことができたので、次は数量の関係から「方程式を立てる」です。
100円のお菓子の代金+120円のお菓子の代金=1300円
という関係があったので、方程式は
\[
100x+120(12-x)=1300
\]
となります。
式が立ったらやることは、「方程式を解く」ですね。
\[
100x+120(12-x)=1300
\]
を解いていくのですが、ここで1つ計算のアドバイスを紹介します。
このまま、解いていってもいいのですが、100、120、1300など、数が少し大きく計算も大変になりますね。
そこで、最初のうちに数を小さくしておきましょう。
ではどうするかというと、各項がそれぞれ
\[
\frac{1}{10}\ \ \ \mbox{倍}
\]
することができますので、まずは\(\frac{1}{10}\)倍してから方程式を解いていきます。
\[
\begin{align}
100x\times \frac{1}{10}+120(12-x)\times \frac{1}{10}&=1300\times \frac{1}{10}\\ \\
10x+12(12-x)&=130\\
10x+144-12x&=130\\
144-130&=12x-10x\\
14&=2x\\
7&=x
\end{align}
\]
となり、\(x=7\)と解が求まりました。
解が求まったら、最後に「解の確認」です。
まず、個数についてです。
100円のお菓子が7個なので、お菓子の合計が12個なので120円のお菓子は5個となります。
個数なので自然数であればOKなことから、適しています。
そして、それぞれの代金を合計してみると
\[
\begin{align}
100\times7+120\times5&=700+600\\
&=1300
\end{align}
\]
となり、代金の合計が1300円になるので、解は適していますね。
よって求める答えは7個となります。
「余る」と「足りない」
次は、○個ずつだと△個余り、□個ずつだと☆個足りないといったような問題です。
このような問題を考えてみましょう。
ポイントは求めるものが「画用紙の枚数」、「生徒の人数」と2つあることです。どのように文字を使って表せばよいでしょうか。
まずは「数量関係を考える」です。
問題文からどのような数量関係があるのか考えていきます。
画用紙を1人に5枚ずつ配ると12枚余る」から考えていきます。
1人5枚ずつ配るということは、生徒が2人であれば\(2(人)\times5(枚)=10\) (枚)、3人に配れば\(3(人)\times5(枚)=15\) (枚)、4人に配ると・・・と具体的に考えていくと
人数\(\times≠)5枚=配った枚数
になることがわかると思います。
そしてそこに余った12枚を足してあげると(配る前の)画用紙の枚数になりますね。
手元に何枚か画用紙があり、そこから5枚ずつ配ったら手元に12枚残ったというイメージです。
となります。
次は「1人に8枚ずつ配ると6足りない」についてです。
先程と同様に考えると
となります。
今度は6枚足りないので、6を引いてあげると(配る前の)画用紙の枚数になります。
手元の画用紙を8枚ずつ配るには6枚足りないというイメージです。
2つの数量関係がわかりました。
この2つに共通していることは、
・人数\(\times\)8枚−6=(配る前の)画用紙の枚数
どちらも(配る前の)画用紙の枚数についての式になっているということです。
ということは、2つの式は同じもの数量を表しているので=(等号)で結べますね。
つまり
という関係式になることがわかりました。
次は「求めるものを文字でおく」ですが、最初に求めるものが2つあることを確認しました。
・どっちも文字でおかないといけないの?
といったように、不安になるかもしれませんが大丈夫です。
すでに、先程の等式で画用紙の枚数を表すことはできています。
よって、文字でおくのは「人数」になります。
人数を\(x\)とおいておきましょう。
では「方程式を立てる」に移ります。
人数を\(x\)とするので、先程の等式は
\[
5x+12=8x-6
\]
となります。
式が立てられたら「方程式を解く」ですね。
\[
\begin{align}
5x+12&=8x-6\\
12+6&=8x-5x\\
18&=3x\\
6&=x
\end{align}
\]
と方程式を解くことができました。
では最後に「解の確認」です。
答えが自然数で求まりました。
次に画用紙の枚数についてです。
方程式の左辺と右辺どちらも画用紙の枚数について表しているので、どちらかに代入すれば枚数が求まります。
\[
5x+12
\]
に代入してみます。
\[
\begin{align}
5x+12&=5\times6+12\\
&=30+12\\
&=42
\end{align}
\]
となりました。
こちらも自然数で求まりました。
念のため、\(8x-6\)にも代入してみます。
\[
\begin{align}
8x-6&=8\times6-6\\
&=48-6\\
&=42
\end{align}
\]
こちらも42枚になりましたね。
よって、答えは生徒の人数が6人、画用紙の枚数が42枚となります。
まとめ
今回はここまでです。
計算に慣れてきた人は式を立てるまでの過程を他の問題を利用したりして繰り返し練習してみて下さい。
次回で方程式の文章問題の解説も終了です。
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