教育実習について ―教育実習経験者からのアドバイス(後編)

それでは後編です。
前編は以下の記事から。

教育実習について ―教育実習経験者からのアドバイス(前編)
教育実習経験者から、これから教育実習へ行く・現在実習中・実習が終わったという人へのアドバイスを送ります。主にこれから実習へ行く、現在実習中人向けですが、少しでも実習の助けになればと思いこの記事を書きました。

実習中(対象:これから実習の人、実習中の人)

実習中は先程もいいましたが「先生」です。
常に児童・生徒からそのようにして見られています。

また、よくあることですが、全てを一気に見ようとしたり、やろうとしたりしても精神的にもいっぱいいっぱいになってしまいます。

あれも見ないと、あれもやらないと…と余計に負担になってしまいます。

なので参観をするときや授業をする時は、まずは1つでいいので決めてそれを意識するようにして下さい。

まずは、心構えから。

みなさんは「先生」です

みなさんは

・教師になりたい
・教師になるか迷っている
・教師にはならないけど単位を取るため

どれでしょうか?

特に、教師にはならないけれど卒業するのに単位が必要という人は意識して欲しいので繰り返しますが、みなさんは「先生」として見られます。

つまり、単位が必要だからどうこうは児童・生徒は関係がありません
「先生になりたい」と思って実習に来ていると思われています。

先生にならないから適当にやればいいや、という気持ちで実習に取り組むと受け入れてくださった学校の教職員の方はもちろん、児童・生徒にとっても大きな迷惑となります。

実習期間中はどのような立場にあっても、「先生」としてできることを精一杯やって下さい。

また、例えば児童・生徒になにか注意をする必要がある時など、中々いいにくさを感じるかもしれません。

しかし、指導すべき時はしなくてはなりません。
そこで見逃してしまうと「あの実習生(先生)は何も言わないから大丈夫」と感じさせてしまいます。
すると、伝えたいことが伝わらないなど悪循環に陥ってしまいます。

実際に、ぼくも実習中に何度か指導する場面がありました。
その時に意識したのは「何が悪かったのか」、「どうして欲しいのか・どうすればよかったのか」を伝えたり考えさせたりするようにしたということです。

そこからなにか小さなことでも児童・生徒が学んでくれることも踏まえられると相手側もただ怒っているのではないんだなと感じてくれると思います。

1日でも早く、1人でも多くと仲良くなりたいという気持ちもわからなくもないですが、そのために指導すべきところで指導できずに流してしまうのでは意味がありません。

ぼく自身、希望している校種が中・高であったので小学校実習のときには単位を取るためという部分が大きかったのですが、校種は違えど学ぶことは多くあると思い、1つでも多く何かを得られるよう取り組みました。

わからないことはどんどん聞こう

実習中はわからないことだらけだと思います。
始めに1日の流れややることを説明されるかとは思いますが、手の空いたときやどうしたらよいかわからないことがどうしても出てきます。

その時は、担当の先生にどんどん聞きましょう
指示を待っていても何も始まりません。

「何か手伝うことありますか?」

でも良いので積極的に聞き行動しましょう。

ぼくは、提出物のチェックや丸付けなど毎日のようにやるものについては2日目以降は先生に頼まれる前にやるようにしていました。
(初日にやり方を教えてもらいましょう。)

1つ意識して見ることを決めよう

ここから授業に関することです。
まずは参観についてです。

担当の先生の授業をまずは見ることになりますが、その時意識して欲しいことは「ここを意識して見よう」と1つ授業前に決めて下さい。

例えば

・発問の仕方
・説明の仕方
・机間指導
・活動の時の指示の出し方

などです。
全部を見ることは無理があります。

なので、まずは1つでいいのでそのことを意識して観察してみましょう。

そして、少し余裕が出てきたら「子供の反応」を見るようにしてください。

興味をもっている、集中ている、退屈そう、悩んでいる…など先生の行動に対して児童・生徒がどのような反応をしているか表情を見ておきましょう。

児童・生徒の積極的な活動、授業での学びを生み出すためにも良い反応を引き出すことは重要です。

加えて、その時になぜそのような反応をしたのかを考えるとより参観での学びが深まります。
すると「今の説明の仕方はわかりやすかったんだな」、「指示がうまく伝わってないな」など読み取れてくると思います。

ぼくも担当の先生の授業を見ていて、自分が授業をするときの参考にしたり、自分だったらどのように説明しただろう、などを考え授業後に先生と話したりしました。

自分で授業をする時の参考になるので参観も重要です。

授業中で意識することを1つ決めよう

参観同様、自分が授業をする時にもまずは1つでいいので、これをやろうということを決めましょう。

ただなんとなく授業していては何も得ることがありません。

・机間で回る順番
・発問の仕方
・説明の工夫
・授業中にこういう活動を入れる

など大学での模擬授業をしていて自分の弱いと思ったところや担当の先生の授業を参観する中で気づいたこと、実習中に授業をするなかで出てきた課題から1つ授業を練る際に意識すること決めておきましょう。

そして意図を持って行うようにして下さい。
担当の先生と授業の反省をする時に「こういう意図があってこうしたのですが、こういう結果になりました」と言うと細かなアドバイスを貰えると思います。

はじめからうまくいくことはありません。(もちろんできるに越したことはありませんが)
うまくいかないこと、失敗の連続です。

自分もそうでした。
思うようにいかないことばかりでした。
全然ダメだな…とネガティブになることの連続でした。

しかし、担当の先生は実習生が未熟なことはもちろん知っているので様々なアドバイスを下さります。

失敗から得た経験やアドバイスを元に少しずつ授業を改善していけばOKです。

最初から完璧にやらないと…と気負う必要はありません。

ここからはもう少し細かな授業をする上でのアドバイスをしていきます。
特に模擬授業のようには進まないということを頭において下さい。

授業を組み立てる際に意識すると良いこと

まずは授業の組み立てについてです。

ポイントは「詰め込みすぎない」ということです。
ただでさえ経験不足であるのに、あれもこれもとなると結局その授業で何がしたかったのかがわからなくなってしまいます。

ぼく自身が意識していたことは

1.どういった児童・生徒が
2.授業後にこういったことができるようになる・理解する

という課題を決め、それを達成するためにどんな活動を入れるかを考えていきました。

また、めあてとまとめが一致しているかも重要です。

例えば、小学5年生の理科のメダカの授業であれば

1.メダカの雌雄区別がつかない児童が
2.授業後には雌雄の判別ができるようにする

というメダカの雌雄の判別という課題を1つ決め、児童がそれを解決できる手立てとして、オスとメスとで違い部分を見つけさせる、クイズをするなどの活動を入れる、というように考えます。

この授業を通して何を伝えたいかということがわかるように授業の流れを作るようにしましょう。

また、時間配分も重要です。
ここで意識してほしいのが、大学で行う模擬授業のように時間を想定すると時間が足りなくなるということです。

大学生と小・中・高生とでは作業スピードが大きく異なります

模擬授業の際に授業を受ける側は想定する学年になりきってやりましょうと言われていると思います。
しかし、完全になりきることは不可能です。

学習済みのことやできることはどんどんやってくれるので、スムーズに事が進む場合が多いと思います。

現場ではそうはいきません。
ノートをとるスピード、活動の取り組み具合などみなさんの想像以上に時間がかかったり取り組みが悪いと思っておいてください。

そのため、模擬授業でやったように実習の時の授業をやろうとすると時間が全然足りない事態に陥ります。

授業での課題が複数あったり、めあてとまとめが一致していないと、おそらく担当の先生に「詰め込み過ぎている」、「この授業でやりたいことは何?」と言われるでしょう。

机間指導のポイント

次は机間指導についてです。

机間指導はただ回っていればいいというものではありません。
意図を持って行う必要があります。

ぼく自身が意識したことは

・勉強が苦手な子、よくできる子をまずみる
・発表してもらう人の目星をつける

ということです。

1つ目の理由としては、苦手な子は何をしたらよいのかわからず悩んでしまっていることがあるのでヒントやアドバイスをしてあげましょう。

よくできる子については、早く終わってしまい手が空くことがあるので、次に何をしたらよいのか指示をだしておくためです。

2つ目については、もし発表の時に手が挙がらなかった場合に当てる人を決めたり、中にはクラス全体で共有して考えたり、紹介したりしたい考えをしている子がいることもあるので目星をつけておくためです。

もちろん、積極的に手を挙げてくれるにこしたことはありませんが、念の為挙がらなかった時のことも考えながら机間指導をするとよいでしょう。

指示を出す時のポイント

様々な場面で指示を出す機会があるかと思います。

自分の失敗談なのですが、授業中の活動の指示を出す時に一気に指示を出してしまい児童・生徒が何をすればよいか迷ってしまう場面がありました。

情報量が多いと児童・生徒は混乱してしまいます。
その量も出す相手によって調整する必要があると感じました。

そこで意識したのが

・何をすればいいのか的確にわかるように情報を1つまたは2つに絞り、指示が短くなるようにする
・相手の理解度に合わせる
・注意をこちらに向ける
・大きな声ではっきりと
・目線を合わせる

です。

特に、低学年の児童に指示を出す時は擬音やジェスチャーを用いて見本を見せてあげると伝わりやすいように思います。
例えば、気をつけをさせたければ、「ピッ」といいながら気をつけをこちら側が見せてあげるなどです。

板書をする時の注意

文字の大きさや丁寧に書くことを心がけるなどはよく言われると思います。

ぼくの失敗談を話しておきます。
それは、色覚特性(以前は色盲、色弱)の子供のことを考えていなかったということです。

授業後に担当の先生から「伝え忘れてたんだけど…」と言われて気づいたのですが、その子には申し訳ないことをしたなと反省しました。

ほとんどの学校が緑色の黒板を使っていると思います。
色覚特性の子はそこに赤で文字を書かれると見えにくいのですが、ぼくは気づかずどんどん使ってしまっていました。

赤のチョークはよく使うので、念の為授業前に先生に確認しておくとよいでしょう。
もしくは、先生の方から事前に伝えられるかと思うので、そのような時には注意して板書して下さい。

実習後(対象:これから実習の人、実習中の人、実習後の人)

最後に以後に実習後についてです。

長かった、辛かった、忙しかった実習も終わり解放感を感じたり、担当したクラスとの別れに寂しさを感じていたり様々な思いがあると思います。

もちろん、実習から得たことを振り返り自分の中に落とし込むことも重要なのですが、注意してもらいたいことがあります。

それは

実習でクラスの児童・生徒からもらったもの、写真などをSNSに載せない

ということです。

大学や実習校から注意があるかもしれませんが、個人情報が載っていることが多いのでSNSにそれらを載せることは論外です。

Twitterで検索すると明らかに児童・生徒の名前のわかる色紙などを載せている人が毎年のようにいます。

貰った嬉しさから載せたくなる気持ちもわからなくはありませんが絶対にしないでください。

その行為が問題となり実習先に謝罪に行った学生がぼくの近くにいました。
単位が取れないということもありえるので十分注意して下さい。

他にも児童・生徒と個人的に連絡をとらないなど説明会や打ち合わせで注意されたことも守りましょう。

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最後に

長々となりましたが以上が実習を経験したぼくからのアドバイスです。

書き忘れたことなどもあるので、思い出し次第更新すると思います。

また、実習を通して教員になりたいと思う気持ちが強くなる人もいれば、自分には無理だなと思う人もいるかと思います。

教員になりたい気持ちが強くなった人は採用試験が目前に迫っていたり、卒論や現場に立った時のための勉強など忙しい毎日かと思います。

実習で得た経験を胸に頑張って下さい。

ここからは、自分には合わない・無理だと思った人へ向けてです。

ぼくは説明会の時に大学の先生から「自分には合わない、無理だと思ったら教員は諦めなさい」といわれました。

たしかにその通りだと思います。
人には向き不向きがありますし、仕事は他にもたくさんあります。

わざわざ合わない・無理と思った仕事をして体調を崩したり、仕事に行けなくなったりしたら本末転倒です。

「自分には教員は合わないという事がわかった」という経験を得られたと思い、諦めるのも1つの道です。

せっかく頑張ったのに、ここまでやってきたのにと周りから言われることがあるかもしれません。

しかし、どの道を歩むのか決めるのはみなさんです。
周りの声を聞くことも大事ですが、それに従う必要はありません。

自分の決めた選択に自信を持って下さい。

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