中学で数学を学んでいくと正負の数の次に悩みどころになるのが文字式なのではないでしょうか?
いきなり登場してきた文字に苦手意識を持っていませんか?
実際、以前教えていた中学生の子もこの文字式で苦戦していました。
- 文字式が何かわからない
- 表し方のルールがよくわからない
こういった疑問に答えていきます。
今回の記事では
- 文字式とは何か
- 文字式の表し方の5つのルール
を解説していきます。
文字と式の単元は学年が上がっても、その先でも使う重要な単元です。
それでは1つずつ確認していきましょう。
中1数学で学習する文字式とは何か?
もう少し詳しく解説していきます。
どのように文字を使うか
小学生の頃の算数を思い出してみてください。◯や□を使って計算することがありましたが、覚えているでしょうか?
例えば、
\[ 80\times \mbox{◯} (円) \]
のように表したかと思います。
この◯が中学校からは文字に変わります。
中学校・・・\(a\)、\(x\)のようなアルファベットなど
◯が\(x\)に変わっただけなので、同じように考えることができます。すると
\[ 80\times x (円) \]
となりますね。
このように文字を使って表す式を文字式と呼びます。
文章を文字式で表すときのコツ
具体的に説明していきます。
先程の問題である
このように、まず言葉の式を作ると文字式も考えやすくなります。
もう1つ例を示してみます。
全体のジュースの量は\(y\) L、人数は3人であるので
\[ y\div3 \]
となります。
文字式の表し方のルールを理解しよう!
ルールは全部で5つで、以下に示すと
ルール2:文字と文字、文字と数字の割り算は分数の形にする
ルール3:数字と文字のかけ算では、数字を文字の前におく
ルール4:文字の前の1は省略する
ルール5:文字の前の負の符号は省略できない
では、それぞれに解説を加えていきます。
文字式のルール1
文字と文字、文字と数字のかけ算ではかけるの記号は省略する
先ほどの式
\[ 80\times x \]
であれば
\[ 80x \]
のように✕の記号を省略します。
同じ文字のかけ算の場合はどうでしょう?
例えば
\[ 2a\times a \]
これについて考えてみます。
✕の記号を省略するというルールに従うと
\[ 2aa \]
となります。
「これで計算できた!」と思うかもしれませんが、実はダメです。
では、どうするかというと
\[ 2a^2 \]
というように表します。
このように同じものをかけあわす時「累乗」の形で表します。
右肩にかけた回数を書きます。
今回は\(a\)を2回かけているので、2を右肩に書きます。
同じ数字をかけあわす時も同様です。
\[ 5\times5\times5=5^3 \]
5が3回かけられているので\(5^3\)と表します。
かけられる回数が多いほど、表記がすっきりするので便利です。
文字式のルール2
数字と文字のかけ算では、数字を文字の前におく
\[ a\div3=\frac{a}{3} \]
のようにします。
割られる数が分子、割る数が分母です。小学生の時、分数で割る際に悪数を逆数に直してかけたかと思います。その計算の仕方を文字式の時にも使います。
\[ a\div3 \]
で考えると、3は
\[ 3=\frac{3}{1} \]
でもあるので、分子と分母をひっくり返し逆数に直してかけると
\[ \begin{align} a\div \frac{3}{1}&=a\times \frac{1}{3}\\ \\&=\frac{a}{3} \end{align} \]
のように計算します。
文字式のルール3
数字と文字のかけ算では、数字を文字の前におく
これは計算した答えを、「数字→文字」の順に書くというものです。
\[ y\times7 \]
のように文字✕数字の順になっていても
\[ y\times7=7y \]
のように「数字→文字」の順で答えを書きます。
また、式に文字が複数出てくる場合、答えの文字はアルファベット順に書いていきます。(ただし、アルファベット順に書かないこともあります。)
例えば
\[ p\times f=fp \]
のようにします。
ここで、注意なのですが( )がついた式の場合、( )の前に数字を書きます。
\[ (a+4)\times9=9(a+4) \]
となります。
割り算の時も
\[ (d+8)\div2=\frac{1}{2}(d+8) \]
もしくは
\[ (d+8)\div2=\frac{(d+8)}{2} \]
と計算します。
文字式のルール4
文字の前の1は省略する
これは
\[ 1\times n=1n \]
とするのではなく
\[ 1\times n=n \]
とします。
文字式のルール5
文字の前の負の符号は省略できない
1が文字の前にくる場合、1は省略しましたが、負の符号(-)が付いているとき、この負の符号は省略できません。
\[ b\times (-1)=-b \]
となります。
ここで注意ですが、かけるの記号(✕)の後ろの−1にはカッコが付いています。 このカッコを忘れると
\[ b\times -1 \]
となり何の計算なのかわからなくなってしまうので \[ +、-、\times、\div \]の後ろに負の数がくる時はカッコをつけるようにしましょう。
割り算の場合は分数の前に−をつけましょう。
\[ 3\div (-c)=-\frac{3}{c} \]
のようになります。
まとめ
表し方のルールは確実に理解しておく必要があります。
念のためもう一度5つのルールを示しておきます。
ルール2:文字と文字、文字と数字の割り算は分数の形にする
ルール3:数字と文字のかけ算では、数字を文字の前におく
ルール4:文字の前の1は省略する
ルール5:文字の前の負の符号は省略できない
始めのうちは5つのルールを見ながら問題を解いていても構いません。
使っていくうちに慣れ、自然と表せるようになってきます。
今回は以上になります。
ぜひ、教科書の問題などに挑戦してみてください。
コメント