物理基礎の熱についてのポイント解説です。
今回は温度についてです。
「温度」という言葉はよく使ったり、耳にしたり、目にしたりするのではないでしょうか?
また
・気温 → 大気の温度
・水温 → 水の温度
など日常生活ともこの温度は深く関わり合っています。
では、この温度とは
・どのようにして決められているのか?
と言われるとどうでしょう?
温度という言葉はよく使うけれど、それが何を表しているのかわからない・・・という人もいるでしょう。
今回の記事では
・温度とはどのようにして決められるのか
について解説していきます。
温度とは
日常的な経験から温度の高い、低いの感覚はあるかと思います。
テレビの天気予報で

今日の気温は30℃を超えるでしょう
と言われれば、暑いんだなと思うと思います。
では、この◯℃はどのようにして決められているのでしょうか?
温度の決め方
この普段よく使う温度はセルシウス温度(セ氏温度)のことを示しています。
セルシウス温度(セ氏温度)とはケルビン(K)で表された熱力学的温度の値から273.15を減じたもののことであり、単位の記号には℃を用います。
単位の℃については馴染み深いと思います。
次に、この温度が何を表しているかについてです。
温度が表すもの
先にポイントから確認していきます。

熱運動?
と思うかもしれませんがこれについては後ほど説明します。
物質は原子や分子から構成されていますが、この原子や分子の熱運動がどの位激しいのかを温度が表しているわけです。
すると、温度が高い時・低い時に原子や分子の運動がどうなるかというと
・低温になるほど → 熱運動は鈍くなる
このようになります。
よくあるイメージとしては(◯を原子や分子とします)
です。
このようなイメージを持っておくと良いでしょう。
熱運動について
それでは先程の熱運動とはなにかについてです。
つまり
・熱運動が鈍い → 原子や分子の運動がにぶい(運動エネルギーが小さい)
ということです。
この熱運動によって引き起こされる現象としてブラウン運動というものがあります。
熱運動している分子などに微粒子が衝突することで、不規則に微粒子が運動するという現象です。
ネットなどにもその様子が動画で見れるのでぜひ検索して見て下さい。
絶対温度とは
温度が熱運動の様子を表していることを確認したのですが、では温度をどんどん下げていった場合、またはどんどん上げていくとどうなるのでしょうか?
絶対零度
物質の温度をどんどん下げていくと、熱運動もどんどん鈍くなっていき、ある温度に達すると熱運動が停止します。
この時の温度を絶対零度といい、この時の温度は約−273℃です。(厳密には−273.15℃)
これより低い温度は存在しません。(温度の下限)
絶対温度とセルシウス温度の関係
この絶対零度を基準(0)とした温度として絶対温度(熱力学温度)があります。
物理ではこちらを用いることがほとんどです。
絶対温度のポイントを示しておきます。
・単位:ケルビン
・記号:K
この絶対温度ですが、セルシウス温度と目盛りの間隔が等しくなるように定められているので
と考えてもらって問題ないです。
では、セルシウス温度と絶対温度の間にはどのような関係があるかについてです。
絶対温度を\(T\)、セルシウス温度を\(t\)とすると
T = t +273
\]
というように表されます。
つまり、セルシウス温度に273を足すことで絶対温度に変換することができます。
正確には273.15を足すのですが、物理基礎では273で計算します。
問題文で指定されている時は、それを使って計算して下さい。
練習問題
最後にセルシウス温度と絶対温度の変換を練習をしてみましょう。
問1 0℃、100℃はそれぞれ何Kか?
問2 300Kは何℃か?
まとめ
それでは今回のまとめです。
温度
・普段つかう温度はセルシウス温度のこと
・水の融点と沸点を基準とし、その間を100等分したもの
・温度は熱運動(原子や分子の不規則な運動)の激しさを表す
絶対温度
・絶対零度(-273℃)を基準とし、セルシウス温度の目盛りと等しくなるように定めたもの
・単位はケルビンで記号はKを使う
セルシウス温度と絶対温度の関係
・\(T = t +273\)という関係式が成り立つ
今回は以上です。
それぞれの用語の意味を確認し、セルシウス温度と絶対温度の変換をできるようにしましょう。
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