【高卒認定試験物理基礎】令和1年度1回目 ポイント解説その1

今回は高卒認定試験物理基礎の令和1年度第1回の大問1、大問2についてのポイント解説をしていきます。

問題や解答については文部科学省のHPにあるものを参照してください。
(http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/kakomon/1420164.htm)

・どのような問題が出題されたか
・どのような知識が必要か
・どう解くのがよいのか

といった視点からそれぞれの問題について説明していきます。

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大問1

大問1は単位、有効数字、\(v-t\)図についての出題でした。

問1

単位に関する問題です。

選択肢の文章から正しい単位の説明を選びます。

物理を学習する時はどのような単位なのか意識して学習するようにしましょう。

1つ1つ選択肢を確認していきます。

①の[Hz]は振動数の単位で、1秒あたりの振動回数を表します。

なお、波長の単位は[m]で波の山から山、谷から谷のように波1分の長さを表します。

②の[Pa]は圧力の単位で、単位面積あたりの力を表します。

圧力は単位面積あたりの力を表すことから\((\rm N/m^2)\)やatmが用いられたりもします。

・1 Pa = 1 \((\rm N/m^2)\)
・1 atm = \(1.013 \times 10^5\) Pa

です。

なお力の単位は[N]です。

③の[\((\rm kg/m^3)\)]は密度の単位で、単位体積あたりの質量を表します。

なお、圧力については先程の②の部分で説明しました。

④の[kg]は質量の単位です。

重さと質量とは混同しがちなので注意が必要です。

重さとは物体にはたらく重力の大きさのことで、力の大きさであるので単位は[N]です。

一方、質量とは物体の加速のしにくさの度合いを表しています。

そのため、月面など地球と重力の異なる場所に行った場合重力の大きさである重さは変わりますが、質量は変化しません

この2つの違いには注意して下さい。

①から④がどれも誤りであるので、正答は残った⑤となります。

問2

有効数字に関する問題です。

位取りの0」に注意して選択肢を確認するようにしてください。

このように「位取りの0」は有効数字の桁数に含めないことに注意して有効数字が3桁で表記されている数値を選んで下さい。

問3

\(v-t\)図に関する問題です。

\(v-t\)図の読み取りのポイント

・傾きは加速度を表す
・グラフと\(t\)軸が囲む面積は変位を表す

です。

(1)

加速度を求めるので0 sから40 sまでのグラフの傾きを読み取ります。

すると、40 sの間に速さは20 m/sに変化するので

\[
\frac{20-0}{40-0}
\]

を計算すればOKです。

(2)

平均の速さを求めるので、移動距離を経過時間で割ります

今回は移動距離と変位とが同じであるので、グラフと\(t\)軸が囲む台形の面積面積を求めればそれが移動距離になります。

なお、台形の面積は「(上底+下底)\(\times\)高さ\(\times \frac{1}{2}\)」で求めることができます。

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大問2

大問2はばね、浮力、摩擦力、運動方程式と\(v-t\)図に関する問題が出題されました。

問1

ばねに関する問題です。

2本直列につないだばねの一方の端を水平に引いた時のそれぞれにはたらく力と全体の伸びを求める問題です。

問題文に図が与えられているのでそこに書き込むか、新たに自分で図をかいて考えましょう。

以下の図を見て下さい。

水平方向に関して赤い矢印がばねBにはたらく力、水色の矢印がばねAにはたらく力です。

ばねAののびを\(x_1\)、ばねBののびを\(x_2\)とします。

ばね定数\(k\)は1[m]ばねがのびたときにばねにかかる力であるので

\[
\begin{align}
k&=\frac{10}{0.2}\\ \\
&=50\ \ \ \mbox{N/m}\ \ \ \mbox{・・・①}
\end{align}
\]

となりますが、とりあえず\(k\)のまま計算していきます。

すると図の\(f_1\)、\(f_2\)はそれぞれ

\[
f_1=kx_1
\]

\[
f_2=kx_2
\]

となります。

次にばねAとばねBのつながっている部分をa点、ばねBの水平に引いている部分をb点として、それぞれの力のつりあいの式をたてます。

a点については

\[
\begin{align}
kx_1&=kx_2\\ \\
x_1&=x_2\ \ \ \mbox{・・・②}
\end{align}
\]

であり、b点については

\[
\begin{align}
kx_2&=10\\ \\
x_2&=\frac{10}{k}\ \ \ \mbox{・・・③}
\end{align}
\]

となります。

②式よりA、Bそれぞれのばねののびが等しいことがわかります。

また、③式に①式を代入してばねBののびを求めればA、Bのばねののびが求まります。

よって

\[
\begin{align}
x_2&=\frac{10}{50}\\ \\
&=0.2\ \ \ \mbox{[m]}
\end{align}
\]

となるので、それぞれ\(0.2\)[m]ずつのびるので全体として

\[
0.2+0.2=0.4\ \ \ \mbox{[m]}
\]

のびます。

またそれぞれのばねにはたらく力ですが、どちらのばねのばね定数ものびも等しいので片方の力の大きさを求めれば両方のばねにはたらくちからの大きさが求まります。

今回はばねAについて考えます。

ばね定数は\(50\)[N/m]、のびは\(0.2\)[m]であるので

\[
\begin{align}
f_1&=kx_1\\ \\
&=0.2\times 50\\
&=10\ \ \ \mbox{[N]}
\end{align}
\]

となり、A、Bのばねにはたらく力はそれぞれ\(10\)[N]となります。

問2

浮力の問題です。

浮力\(F\)の式は

\[
F=\rho V g
\]

で表されました。

\(\rho\)は流体の密度、\(V\)は物体が排除した流体の体積、\(g\)は重力加速度です。

今回であれば流体は油です。

容器が油にちょうど沈んだ時を考えます。

以下の図のようになり、その時容器にはたらく力を書き込みました。

\(F\)は容器にはたらく浮力です。

容器がちょうど沈むとき、容器にはたらく浮力と重力の大きさがつりあっています。

この時の質量をこえると容器は完全に沈みます。

ではちょうど沈んだ時の質量を求めましょう。

油の密度は問題文に与えられており、物体が排除した油の体積は、容器の体積である200 \((\rm g/cm^3)\)です。

容器と砂の質量の和を\(m\)とすると

\[
mg=\rho V g
\]

であるので、両辺の\(g\)を約分してから各値を代入すると

\[
\begin{align}
mg&=\rho V g\\
m&=\rho V\\
&=0.9 \times 200\\
&=180\ \ \ \mbox{[g]}
\end{align}
\]

となります。

問3

摩擦力に関する問題です。

物体に力を加えていき、何Nを超えたときに物体がすべり出すのかを求めます。

物体に摩擦力がはたらく場合、物体が静止しているうちは静止摩擦力がはたらいています。

そして物体にはたらく力がある限界をこえると物体はすべりだし、このすべりだす直前の静止摩擦力を最大摩擦力といいます。

最大静止摩擦力の大きさ\(F_0\)は

\[
F_0=\mu N
\]

で表されました。

\(\mu\)は静止摩擦係数です。

よって、すべりだす直前の物体にはたらく力は以下の図のようになります。

物体を引く力を\(F\)、垂直抗力を\(N\)とします。

水平方向の力のつりあいより

\[
F = \mu N\ \ \ \mbox{・・・①}
\]

鉛直方向の力のつりあいより

\[
N = mg\ \ \ \mbox{・・・②}
\]

であるので、①式、②式より

\[
F = \mu \times mg
\]

となり、各値を代入して計算すればすべりだす直前の力の大きさが求まります。

そして、この力の大きさをこえたとき物体は滑り出します。

問4

運動方程式と\(v-t\)図についての問題です。

質量\(m\)の台車を一定の力\(F\)を加えて水平方向に引いた時の運動の様子を\(v-t\)図に表したものが与えられています。

今度はこれを\(2m\)の台車に変え、水平方向に引く力を\(2F\)にした時の運動の様子として正しいものを選択肢の\(v-t\)図から選びます。

\(v-t\)図の傾きは加速度を表しているので、運動方程式を立式して加速度を求めてみます。

質量\(m\)、水平方向に引く力\(F\)である場合と質量\(2m\)、水平方向に引く力\(2F\)である場合との両方の場合について考えてみます。

まずは質量\(m\)、水平方向に引く力\(F\)である場合についてです。

運動方向である水平方向のみの力を考えて、加速度を\(a\)として運動方程式を立式すると

\[
ma=F
\]

となり、\(a\)について解くと

\[
a=\frac{F}{m}
\]

となります。

次に、質量\(2m\)、水平方向に引く力\(2F\)である場合についてです。

先ほどと同様にして運動方向である水平方向のみの力を考えて、加速度を\(A\)として運動方程式を立式すると

\[
2mA=2F
\]

となり、\(A\)について解くと

\[
\begin{align}
A&=\frac{2F}{2m}\\ \\
&=\frac{F}{m}
\end{align}
\]

となります。

すると\(a=A\)であることからどちらの加速度も等しい、つまり\(v-t\)図の傾きが等しいことがわかります。

よって、問題文に与えられている\(v-t\)図と同じグラフになります。

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まとめ

今回はここまでです。

続きはこちら。

【高卒認定試験物理基礎】令和1年度1回目 ポイント解説その2
今回は高卒認定試験物理基礎の過去問のポイント解説です。どのような問題が出題されているのか、どのような知識が必要か、どのように解くのがよいのかなど把握して過去問演習をより効果的に行えるようにしましょう。

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