今回も連立方程式の続きを説明していきます。
前回の記事はこちらから。

前回は代入法と加減法について説明しました。
今回は少し形の変わった連立方程式の問題や解が与えられている連立方程式を解いていきます。
・解が与えられている場合、どう解けばよいのかわからない
という人はぜひこの記事を読んでみて下さい。
A=B=C型
x+y=-2x-y=4
\]
まずは、このようなA=B=C型の連立方程式についてです。
一見どのように解いたらいいのかわからないかもしれませんが、イコール(=)で結ばれていることに注目です。
イコール(=)で結ばれたもの同士は等しいという性質がありました。
A=B=Cであれば、AはBとC、BはAとC、CはAとBとそれぞれ等しいということです。
ということは、A=C、B=C、A=Bという関係が成り立っています。
を利用して解いていきます。
では、例題の式を見てください。\(x+y=-2x+y=4\)なので
\[
x+y=-2x-y\ \ \ \ \ \mbox{(1)}
\]
\[
-2x-y=4\ \ \ \ \ \mbox{(2)}
\]
\[
x+y=4\ \ \ \ \ \mbox{(3)}
\]
が成り立っています。
なので
①
\[
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
x+y=-2x-y \ \ \ \ \ \mbox{(1)}\\
-2x+y=4 \ \ \ \ \ \mbox{(2)}
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}
\]
②
\[
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
x+y=-2x-y \ \ \ \ \ \mbox{(1)}\\
x+y=4 \ \ \ \ \ \mbox{(3)}
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}
\]
③
\[
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
-2x+y=4 \ \ \ \ \ \mbox{(2)}\\
x+y=4 \ \ \ \ \ \mbox{(3)}
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}
\]
の①〜③のどれかの連立方程式を解けば解を求めることができます。
①、②の連立方程式については、(1)式を変形し、\(x=\)または\(y=\)の形にして代入法でまずは解いてみましょう。
③の連立方程式については加減法を使って解きましょう。
答えを示しておくので、その通りになるかぜひ自力で解いてみてください。
(例題の答えの部分を押すと答えが表示されます。)
解が与えられて係数を求める問題
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
2ax-by=5 \ \ \ \ \ \mbox{(1)}\\
-ax+2by=-1 \ \ \ \ \ \mbox{(2)}
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}
\] の解が\(x=1\)、\(y=1\)の時、\(a\)、\(b\)の値を求めよ。
このような問題を次は考えていきます。
連立方程式の解が与えられていて、そこから方程式の係数を求めるという問題です。

文字が4つもある…
と心配に思ってしまう人もいると思いますが大丈夫です。
それでは、どのように解くのか説明していきます。
方程式の解は、「元の方程式に代入しても成り立つ」という性質がありました。
つまり、\(x=1\)、\(y=1\)を(1)式、(2)式に代入してもそれぞれの方程式が成り立ちます。
では、代入してみましょう。
(1)式に\(x=1\)、\(y=1\)を代入すると
\[
2a-b=5\ \ \ \ \ \mbox{(3)}
\]
(2)式に\(x=1\)、\(y=1\)を代入すると
\[
-a+2b=-1\ \ \ \ \ \mbox{(4)}
\]
となります。
つまり
\[
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
2a-b=5 \ \ \ \ \ \mbox{(3)}\\
-a+2b=-1 \ \ \ \ \ \mbox{(4)}
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}
\]
この連立方程式を時、\(a\)、\(b\)で解くことになります。
加減法で解く方が簡単ですが、余裕のある人は代入法でも解いて練習してみてください。
先程と同様に答えを示しておきます。
(例題の答えの部分を押すと答えが表示されます。)
まとめ
それでは今回のまとめです。
A=B=C型の解き方
・A=C、B=C、A=Bの2つを選んで連立方程式を解く。
解が与えられて係数を求める問題
①解を連立方程式に代入する。
②残った文字(今回であれば\(a\)、\(b\))の連立方程式を解く。
今回はここまでです。
次回は連立方程式に分数や小数が含まれている場合について解説します
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