今回の物理基礎ポイント解説は「速さ」についてです。
・瞬間の速さって何?
・平均の速さって何?
といった疑問を解決していきます。
これらを解説する前にまずは速さについて確認していきましょう。
速さ
・速さ:単位時間当たりの移動距離
・速さ\(v\)は移動距離を\(x\)、経過した時間を\(t\)とすると以下のように表せる
\[
\begin{align}
v&=\frac{\mbox{移動距離}}{\mbox{経過した時間}}\\ \\
&=\frac{x}{t}
\end{align}
\]
速さとは単位時間当たりの移動距離のことをいいます。
この単位時間については後ほど補足します。
もう少し簡単に言うと、移動距離を経過した時間で割ったものです。
速さの単位は移動距離、経過した時間の単位によって決まります。
例えば、移動距離の単位がkm(キロメートル)、経過した時間の単位がh(時間)であれば、速さの単位は
km/h(キロメートル毎時)
となります。
時間の単位
時間の単位について少し補足しておきます。
時間の単位はそれぞれ
・分 → m
・時間 → h
のようにして表します。
これは、それぞれの英語の頭文字からとっています。
秒であれば「second」のs、分は「minute」のm、時間は「hour」のhです。
単位時間当たり
先程出てきた単位時間当たりについて補足しておきます。
この単位時間当たりとは、決められた時間当たり、つまり1秒、1分、1時間当たりという意味になります。
なので、速さは1秒、1分、1時間当たりの移動距離を表していることになります。
速さが示されていれば
・1分でどのくらい進むか
・1時間でどのくらい進むか
がわかるということです。
また、この単位◯◯当たりは時間だけではなく、単位体積当たりや単位面積あたりなど様々な量に対して用いられます。
速さの単位の換算
◯km/hは何m/sか。
といったような速さの単位の換算について説明していきます。
まず、おさえておくこととして
・1km → 1000m
・1m → 100cm
・1cm → 10mm
<距離>
・1h → 60m
・1m → 60s
の換算は大丈夫でしょうか?
これを利用して考えます。
36km/hの単位をm/sに換算してみます。
1h → 60m
60m → 60\(\times\)60s=3600s
であるので
\[
\begin{align}
36{\rm km/h}&=36\times \frac{1000{\rm m}}{3600{\rm s}}\\ \\
&=\frac{36\times10{\rm m}}{36{\rm s}}\\ \\
&=10{\rm m/s}
\end{align}
\]
となります。
このように単位も普通の文字のように考えて計算するとやりやすいです。
もう1問やってみます。
今度は20m/mの単位をkm/hに換算してみます。
1m → \(\frac{1}{1000}\)km
1h → 60m
1m → \(\frac{1}{60}\)h
であるので
\[
\begin{align}
20{\rm m/s}&=20\times \frac{\frac{1}{1000}{\rm km}}{\frac{1}{60}{\rm h}}\\ \\
&=\frac{20\times60{\rm km}}{1000{\rm h}}\\ \\
&=\frac{2\times6{\rm km}}{10{\rm h}}\\ \\
&=1.2{\rm km/h}
\end{align}
\]
となります。
瞬間の速さと平均の速さ
瞬間の速さと平均の速さについても確認しておきましょう。
・平均の速さ → 移動距離を経過した時間で割ったもの
最初の速さのところで示した式は平均の速さを表しています。
数学の問題の速さを求めるような問題はこの平均の速さを求めています。
しかし、車や電車などは早くなったり、遅くなったり、止まったりと時間とともに速さが変化しています。
このような速さが時間とともに変化する時のある時刻に着目した速さが瞬間の速さです。
野球のスピードガンや自動車のスピードメーターが示すのも瞬間の速さです。
まとめ
・速さ(平均の速さ)
単位時間当たりの移動距離
速さ\(v\)は移動距離を\(x\)、経過した時間を\(t\)とすると
\[
v=\frac{x}{t}
\]
と表せる
・速さの単位の換算
長さや時間の換算を利用する
今回は以上となります。
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