今回解説するのは「等式変形」です。
苦手な人も多いのではないでしょうか?
今回は等式変形の解き方を解説していきます。
等式変形が苦手な原因
等式変形に苦手意識を持ってしまう原因ですが、それは
が大きいのではないでしょうか?
小学校の算数、中1の数学と答えは具体的な数で求められてきました。
ところが、等式変形では答えに文字が含まれることが多いです。
すると

本当にこの答えで大丈夫なのかな?
と心配になってしまうのではないでしょうか?
ぼくも初めて等式変形を学んだ時はなんだか文字が答えに残ってて少し違和感がありました。
しかし、大丈夫です。
手順を踏んで解いていけば、正しい答えを導き出せます。
という人もいると思うので、答えの確認の仕方を1つ紹介したいと思います。
それでは、まずやり方の前に等式変形をする上で必要な1つ言葉を確認しておきます。
〜について解きなさい
この、「〜について解きなさい」は等式変形でよく使われます。
もう少し具体的にいうと
という表現をよく目にすると思います。
これはどういったことを意味しているか、まずは説明していきます。
この例を使って説明していきます。
これは
ということを示しています。
つまり、「[ ]の中の文字=」の形を目指して変形をしていきます。
この答えの形に見覚えはありませんか?
中1の時にやった方程式を思い出してください。
という表現をよく目にしたと思います。
例えば
\[
3x+6=2x-3
\]
このような方程式を解く時に「x=」の形にしましたね。
最終的にに目指す答えの形が「文字=」です。
中1の時に学んだ方程式との違いは、式中の文字の種類が増えるということです。
中1の方程式に出てくる文字は1種類です。
等式変形では、出てくる文字の種類が増えます。
そのため、少し難しく感じてしまうかもしれません。
安心して下さい。中1の学習がここで活用できます!
等式変形のやり方
いよいよ、等式変形のやり方ですが、基本的に方程式の解き方と同じです。
不安な人、心配な人は以下の記事で確認してください。



等式変形も方程式と同じ手順で解いていきますが、1つポイントがあります。
ということです。
どういうことかというと、中1の時に学んだ方程式では
という形になりましたが、等式変形では
になります。
つまり、[ ]内の文字のみに着目して、それ以外は反対側の辺に集めるということです。
では、具体的に問題を解いてみましょう。
\[
4y-3x=2\ \ \ \mbox{[\(y\)]}
\]
それではこの問題を解いていきます。
\(y\)について解くので、最終的な形は「\(y=\)」になります。
では、方程式の解き方のSTEPに従って等式変形をしてみます。
今回、( )や分数、小数は無いのでSTEP3「移項」からです。
着目する文字は\(y=\)です。
つまり、片方の辺に\(y\)を含む項、もう片方の辺にそれ以外の項を集めます。
\[
\begin{align}
4y-3x&=2\\
4y&=3x+2
\end{align}
\]
と移項することができました。
右辺の\(3x+2\)はこれ以上計算することができないのでこのままです。
文字式の計算について忘れてしまった人は、以下の記事を確認してください。

移項が終わったらSTEP4「解を求める」です。
求める文字\(y=\)の係数である4の逆数を両辺にかけます。
このとき注意が必要でした。
両辺をかたまりとして考えるということです。
今回の問題であれば右辺の\(3x+2\)の\(3x\)にしか\(\frac{1}{4}\)をかけていないなどの間違いがよくあるので、気をつけましょう。
( )をつけてからかけるようにすると、このようなミスを防ぐことができます。
\[
\begin{align}
4y\times \frac{1}{4}&=(3x+2)\times \frac{1}{4}\\ \\
y&=\frac{3x+2}{4}
\end{align}
\]
となります。
もう1問解いてみましょう。
\[
a=\frac{1}{3}(b+2c)\ \ \ \mbox{[\(c\)]}
\]
少し複雑になりましたが、手順通りにやっていきましょう。
まずは( )があるのでSTEP1「( )を外す」からやっていきます。
( )の前が分数なので、整数に直してから( )を外しましょう。
両辺に3をかけます。
\[
\begin{align}
a\times3&=\frac{1}{3}(b+2c)\times3\\ \\
3a&=b+2c
\end{align}
\]
となります。
分数や小数は無いので次のSTEPへ。
STEP3「移項」です。
今回は\(c\)について解くので、片方の辺に\(c\)を含む項、もう片方の辺にそれ以外の項を集めます。
\[
\begin{align}
3a&=b+2c\\
3a-b&=2c
\end{align}
\]
移項が終わったので、STEP4「解を求める」です。
\(c=\)の形にするために両辺に\(c\)の係数の逆数である\(\frac{1}{2}\)をかけましょう。
\[
\begin{align}
(3a-b)\times \frac{1}{2}&=2c\times \frac{1}{2}\\ \\
\frac{3a-b}{2}&=c
\end{align}
\]
となり、解を求めることができました。
このように手順通りに式を変形していけばOKです。
解の確認の仕方
等式変形の問題を2問解きましたが
と心配になっている人もいるかと思います。
そんな心配を取り除くために、求めた解が正しいのか確認してみましょう。
では、どのように確認するのかですが1つの方法として
②解いた文字の値を求める。
③等式変形前の式に①で代入した数字、②でも求まった数字を代入して等式が成り立つか確認する。
という方法を紹介します。
では、具体的にやってみます。
まずは、最初の問題からです。
・等式変形前 → \(4y-3x=2\)
・等式変形後 → \(y=\frac{3x+2}{4}\)
例えば\(x=2\)を代入してみましょう。
等式変形後の式にまずは代入してみます。
\[
\begin{align}
y&=\frac{3\times2+2}{4}\\ \\
&=\frac{8}{4}\\ \\
&=2
\end{align}
\]
\(y=2\)となりました。
変形前の式の\(x\)と\(y\)に2を代入して、等式が成り立てばOKです。
では、変形前の式に代入すると
\[
\begin{align}
4\times2-3\times2&=2\\
8-6&=2\\
2&=2
\end{align}
\]
\(2=2\)となりましたね。
これで、求めた解が正しいことが確認できました。
何故かというと、等式の左辺と右辺は等しいので、この左辺と右辺に同じ操作をして変形した式の左辺と右辺も等しいはずです。
そのため、変形後の式に代入して得られた結果は、変形前の式に代入しても成り立つはずだからです。
そして、変形後の式に代入する数字についてですが、どのような数字を代入してもOKです。
しかし
・求まる解が分数や小数にならないような値
を代入することをオススメします。
すると、計算しやすくなり、計算ミスもしにくくなります。
先程の\(y=\frac{3x+2}{4}\)の\(x\)に値を代入する時も、右辺が分数にならないような値を考えて代入しています。
では、もう1問の解の確認もしてみましょう。
・等式変形前 → \(a=\frac{1}{3}(b+2c)\)
・等式変形後 → \(c=\frac{3a-b}{2}\)
では、等式変形後の式に具体的な数字を代入してみましょう。
分数が残らないように\(a\)、\(b\)の値を代入します。
\(a=2\)、\(b=2\)を代入すると
\[
\begin{align}
c&=\frac{3\times2-2}{2}\\ \\
&=\frac{6-2}{2}\\ \\
&=\frac{4}{2}\\ \\
&=2
\end{align}
\]
\(c=2\)となりました。
それでは、変形前の式に\(a=2\)、\(b=2\)、\(c=2\)を代入して等式が成り立つか確認しましょう。
\[
\begin{align}
2&=\frac{3\times2-2}{2}\\ \\
&=\frac{6-2}{2}\\ \\
&=\frac{4}{2}\\ \\
2&=2
\end{align}
\]
代入してみると\(2=2\)となり等式が成り立っていますね。
よって解は等しいことが確認できました。
等式変形した結果が正しいか心配な人はこのように確認してみるとよいでしょう。
まとめ
それでは今回のまとめです。
・等式変形は[ ]内の文字に着目して方程式と同じ流れで解く
・解の確認は変形後と変形前に具体的な数字を代入する
今回は以上となります。
教科書や問題集の問題に挑戦してみて下さい。
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