今回の中1数学解説は「おうぎ形の中心角の求め方」について解説していきます。
おうぎ形の弧の長さや面積の求め方を理解しておく必要があるので、心配な人は以下の記事から確認してください。

おうぎ形の弧の長さや面積については求められても、中心角を求めるとなると解けなくなっていしまうという人もいるのではないでしょうか?
家庭教師をしていた時も中心角を求める問題になると解けなくなっていしまうという子が多かったです。
・式を立てた後答えまでたどり着かない
苦手という人はこの2つのどちらか、または両方に当てはまっているのではないでしょうか。
2つ目については方程式の解き方を復習しておきましょう。
以下に関連する記事を示しておきます。
今回の記事では、1つ目に絞り
・おうぎ形の面積が分かっている場合
についてそれぞれ解説します。
そして次回の記事で
・円錐の中心角の求め方
について解説します。
中心角の求め方のポイント
まずは、中心角を求める時に共通するポイントを説明していきます。
①情報を整理する
②求めるもの(中心角)を文字でおく
③分かっているものを求める式を立てる
④方程式を解く
という流れで考えることがポイントです。
方程式の文章問題を解く流れと変わりません。

この流れについて説明を加えていきます。
まずは①からです。
①では何が分かっているのかを整理していきます。
おうぎ形の半径や弧の長さ、面積など与えられている量をチェックします。
この時、図が与えられていない場合は必ず図を自分で書いてそこに情報を書き込んでいってください。
この分かっている量によって③で立てる式が変わります。
次に②についてです。
中心角を求めるのでこれを文字でおきます。
そして③です。
①で整理した情報によって立てる式を考えます。
・弧の長さ\(l\)が分かっている場合
\[
l=2\pi r\times \frac{x^{\circ}}{360^{\circ}}
\]
・面積\(S\)が分かっている場合
\[
S=\pi r^2\times \frac{x^{\circ}}{360^{\circ}}
\]
・円錐の母線\(L\)、底面の半径\(R\)が分かっている場合
\[
2\pi L\times \frac{x^{\circ}}{360^{\circ}}=2\pi R
\]
方程式を立てることができれば後は解いて中心角を求めればOKです。
それでは具体例を用いながら解説していきます。
弧の長さ\(l\)が分かっている場合
まずは、弧の長さ\(l\)が分かっている場合についてです。
以下の問題を用いて解説していきます。
それでは求め方のポイントに沿って説明していきます。
①情報を整理する
分かっている情報は
・弧の長さが\(2\pi\)cm
です。
②求めるもの(中心角)を文字でおく
求めるものは中心角であるので\(x\)とおきます。
③分かっているものを求める式を立てる
中心角はおいた\(x\)のままでよいので、弧の長さを求める式を立てましょう。
l=2\pi r\times \frac{x^{\circ}}{360^{\circ}}
\]
にそれぞれ代入します。
すると
\[
2\pi=2\pi \times 9\times \frac{x^{\circ}}{360^{\circ}}
\]
という方程式を立式することができます。
④方程式を解く
後はこの方程式を解くだけです。
まずは、両辺に\(2\pi\)があるので両辺に\(\frac{1}{2\pi}\)をかけます。
\[
\begin{align}
2\pi \times \frac{1}{2\pi}&=2\pi \times 9\times \frac{x^{\circ}}{360^{\circ}} \times \frac{1}{2\pi}\\ \\
1&=9\times \frac{x^{\circ}}{360^{\circ}}
\end{align}
\]
次に両辺に\(\frac{1}{9}\)をかけます。
\[
\begin{align}
1 \times \frac{1}{9}&=9\times \frac{x^{\circ}}{360^{\circ}}\times \frac{1}{9}\\ \\
\frac{1}{9}&=\frac{x^{\circ}}{360^{\circ}}
\end{align}
\]
最後に両辺に\(360^{\circ}\)をかけます。
\[
\begin{align}
\frac{1}{9} \times360^{\circ} &=\frac{x^{\circ}}{360^{\circ}}\times360^{\circ}\\ \\
\frac{360^{\circ}}{9}&=x^{\circ}\\ \\
45^{\circ}&=x^{\circ}
\end{align}
\]
となり中心角が\(45^{\circ}\)と求まりました。
途中計算は順を追って丁寧に計算しましたが、得意な人は一気に計算してもOKです。
しかし、計算ミスが心配な人は丁寧に計算することをおすすめします。
面積\(S\)が分かっている場合
次に面積\(S\)が分かっている場合についてです。
以下の問題を用いて解説していきます。
先程と同様に求め方のポイントに沿って説明していきます。
①情報を整理する
分かっている情報は
・面積が\(12\pi\)cm\(^2\)
です。
②求めるもの(中心角)を文字でおく
求めるものは中心角であるので\(x\)とおきます。
③分かっているものを求める式を立てる
中心角はおいた\(x\)のままでよいので、面積を求める式を立てましょう。
S=\pi r^2\times \frac{x^{\circ}}{360^{\circ}}
\]
にそれぞれ代入します。
すると
\[
12\pi=\pi \times 6^2\times \frac{x^{\circ}}{360^{\circ}}
\]
という方程式を立式することができました。
④方程式を解く
後はこの方程式を解くだけです。
ちょっとしたコツではありますが、以下ように2乗の部分をかけ算に直しておくと計算をする際に少しやりやすくなります。
\[
12\pi=\pi \times 6\times6 \times \frac{x^{\circ}}{360^{\circ}}
\]
まずは両辺に\(\frac{1}{6\pi}\)をかけます。
\[
\begin{align}
12\pi \times \frac{1}{6\pi}&=\pi \times 6\times6 \times \frac{x^{\circ}}{360^{\circ}} \times \frac{1}{6\pi} \\ \\
2&=6 \times \frac{x^{\circ}}{360^{\circ}}
\end{align}
\]
次に、両辺に\(\frac{1}{6}\)をかけます。
\[
\begin{align}
2\times \frac{1}{6}&=6 \times \frac{x^{\circ}}{360^{\circ}} \times \frac{1}{6}\\ \\
\frac{1}{3}&=\frac{x^{\circ}}{360^{\circ}}
\end{align}
\]
最後に両辺に\(360^{\circ}\)をかけます。
\[
\begin{align}
\frac{1}{3} \times 360^{\circ}&=\frac{x^{\circ}}{360^{\circ}}\times 360^{\circ}\\ \\
120^{\circ}&=x^{\circ}
\end{align}
\]
となり中心角が\(120^{\circ}\)と求まりました。
まとめ
それでは今回のまとめです。
中心角を求める時のポイント
①情報を整理する
②求めるもの(中心角)を文字でおく
③分かっているものを求める式を立てる
④方程式を解く
次回の記事はこちらから。

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